安価で「株主」になれるメリット
今回の提携で、大きなカギを握るのは(1)スマホ証券の分野だと思われる。SBI証券子会社のSBIネオモバイル証券(ネオモバ)の発行済み株式20%をSMBCグループが取得し、「若年層を中心とする投資初心者層向けの金融サービス」提供に向け、協議を始めるものだ。
ネオモバは、19年4月開業のスマートフォン向け証券会社。20年3月には30万口座達成が発表されている。最大の売りは、Tポイントを利用し、少額から株式投資できるところにある。上場企業の株式は、通常「単元」と呼ばれる単位(多くの場合は100株)でしか購入できないが、一部証券会社・市場では99株以下の「単元未満株」も取引可能となっている。この制度を使えば、数百円あれば多くの有名企業に投資できる。
加えてネオモバでは、手数料を格安に設定している。月の約定価格が50万円以内であれば220円(税込)で、株式購入に使える200ポイントが付与されるため、実質負担は20円からとなる。制度の特性上、デイトレードのように頻繁には売買できないが、安価で「株主」になれるのはメリットだ。
とはいえ、現状のネオモバは、知名度に乏しい。同種のコンセプトでは、LINEと野村グループによる「LINE証券」(19年8月開業)が競合としてあり、ネームバリューとしては一歩およばない。ここで三井住友のブランドをかけ合わせ、ネオモバのブランド力強化に繋がるかに注目だ。
(J-CASTニュース編集部 城戸譲)