ウィズコロナ時代の「さよなら運転」 鉄道イベントも大きく変わるかも

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   2020年4月17日、JR北海道札沼線北海道医療大学~新十津川間が運行最終日を迎え、同区間の長きの歴史にピリオドが打たれた。

   当初、最終運行日は5月6日を予定していたが、北海道が緊急事態宣言の対象地域になったことから繰り上げとなった。三密NGの声が高まるであろう「ウィズコロナ」の時代に鉄道関連のイベントはどのように変化するのだろうか。

  • (2019年6月にJR大阪環状線、ゆめ咲線から撤退した201系)
    (2019年6月にJR大阪環状線、ゆめ咲線から撤退した201系)
  • (2019年6月にJR大阪環状線、ゆめ咲線から撤退した201系)

異例の幕切れとなった札沼線末端区間

   JR札沼線北海道医療大学~新十津川間は乗客減等を理由に、2020年5月6日を最後に廃線が決定していた。しかし、新型コロナウイルスにより異例の幕切れとなった。

   4月15日、JR北海道は緊急事態宣言により、一般向け最終運行日を4月24日、沿線住民向け最終運行日を27日にすることを発表した。同時に沿線町外からの駅、沿線での撮影等の自粛の呼びかけも行われた。

   ところが4月16日、同社は翌17日を最終運行日とし、「町外からのご乗車、来駅、沿線での写真撮影等をお控えくださいますよう、重ねてお願い申し上げます」と発表した。

   結局、4月17日が最終運行日となり、北海道医療大学~新十津川間の幕が閉じた。当日は多くの町民が集まり、別れを惜しんだという。

トラブル防止の観点も...「来訪自粛」要望増える?

   今回は沿線町外からの来訪自粛要請という異例の幕切れとなったが、ウィズコロナの時代は路線や列車、古参車両の運行最終日はJR札沼線のケースが常識となるのかもしれない。

   「運行最終日」と聞くと鉄道ファンの血は騒ぐようで、多くのファンが全国から駅や沿線に押し掛ける。その際、新型コロナウイルス予防で避けるべき「密集」「密接」ができ、「社会的距離」の確保が難しくなる。

   また、運行最終日をめぐるトラブルも無視できない。2018年11月、東京メトロ千代田線で6000系の「さよなら運転」が行われたが、一部の鉄道ファンにより重大事故につながりかねないトラブルが発生した。2020年2月に東京メトロ日比谷線で活躍した03系が引退したが、事前に最終運行日も公表されず、ひっそりと東京メトロに別れを告げた。

   今後、新型コロナウイルスの感染拡大の可能性があり、トラブル発生も否定できない「最終運行日」関連のイベントを取りやめる動きは十分に考えられる。緊急事態宣言の有無に関わらず、沿線外からの来訪自粛を求める声があってもおかしくはない。

   一方、新線や新型車両に関してはマーケティングの観点から、「ささやか」なイベントは行われるだろう。いずれにせよ、新型コロナウイルスは今後の鉄道関連のイベントにも大きな影響を与えるような気がしてならない。

(フリーライター 新田浩之)

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