新型コロナウイルスの影響で、アイドル界ではかつてない緊急事態が続いている。当面大規模コンサートの開催が困難な状況のため、多くのグループがメンバーの卒業イベントの延期を決定している。
その流れの中で去就が気がかりな「本丸」が、2020年一杯で活動休止予定の嵐だ。客観的に見れば嵐も休止を延期するのでは――とも考えられるが、ファンの胸中はメンバーに配慮してか複雑だ。
女性メジャーアイドル、続々卒業延期
2020年3月以降、新型コロナが全国的に蔓延し始めると、メジャーアイドルグループでは、ライブイベントについて判断を迫られた。当初は3月30日にラストライブを無観客で行ったこぶしファクトリーのように、無観客ライブや配信で対処していたが、長期化するにつれて興行そのものの中止・延期が相次ぐ。
SKE48・高柳明音さんの3月15日開催予定の卒業コンサート(横浜アリーナ)は中止、高柳さんの卒業日は未定になっている。またAKB48・峯岸みなみさんの4月2日の卒業コンサート(横浜アリーナ)も延期となった。
ハロー!プロジェクト系列では6月3日予定のJuice=Juice・宮本佳林さん、6月12日予定のアンジュルム・船木結さんの卒業コンサート延期が4月21日に発表された。
そして乃木坂46・白石麻衣さんの場合は、本来は5月5日~7日の東京ドームでのコンサートで卒業予定だったと4月28日に公式ブログで明かされ、卒業自体も延期となっている。
こうなると、2020年12月31日をもって活動休止予定の嵐がどうなるのか、ジャニーズファンならずとも気になるところだ。
既に5月15~16日に国立競技場で開催予定だったコンサート「アラフェス2020」は延期が決まっているが、延期時期やその後のイベントスケジュールは未定。ファン目線では、20年末まで活動する5人を全力で応援するつもりだったはずが、全く見通しが立っていない状況だ。
一方的に延期を願うのは身勝手ではないか...
嵐の活動休止の延期もあり得る情勢だが、当の嵐ファンたちの心境も揺れている。「このまま何もイベントができずに活動休止になるのでは」という不安と、「メンバーの気持ちを大切にしたい」というもの。休止を延期してほしいという意見は必ずしも多数派とはいえない。
もともと、嵐は19年1月に休止を発表した時、17年からメンバーでじっくり話し合って(休止を)決断したと明らかにしている。特に大野智さんが「自分の嵐としての活動を一旦終え、自由に活動してみたい」と考えていたことや、「5人でなければ嵐じゃない」(二宮和也さん)、「2020年で区切りをつけるのがベストなんじゃないか」(松本潤さん)などのメンバーの声が報じられると、彼らの決断を大切にしたいという雰囲気が嵐ファンの中では優勢になっていた。
したがって、「大野くんをこれ以上拘束したくない」「一度期限を定めた5人に、先延ばしさせるのは酷」「メンバー全員が納得する道を選んでほしい」といった思いが目立つ。メンバーの意志を尊重し、一方的に延期を願うのは身勝手ではないか、との意識も熱心なファンにはある様子だ。
2020年は他にもE-girlsやAAAが解散・活動休止を発表済みだった。先行きは不透明だが、どのグループもアーティストとファンが共に納得できる選択を実現してほしいところだ。
(J-CASTニュース編集部 大宮高史)