「医療崩壊を防ぐ一助に」
高野氏は、新型コロナが収束せず、介護事業所への支援が現状のままで続いた場合の「最悪のシナリオ」をこう推測している。
「新型コロナウイルスは人々の距離を遠ざけます。要介護の高齢者やその家族にとっては社会的孤立を招くおそれがあります。事業所は経営困難から経営破綻にうつる可能性があります。
介護職員の離職が相次いだら、『アフターコロナ』の段階になっても人員確保できなくなるのではないかという懸念もあります。介護現場ではすでに職員数が減り始めて負担が増し、ストレスを抱えています。慣れない感染症対策で神経をすり減らしているという報告があります。この意味で、介護サービス事業所が撤退・経営破綻するなどし、高齢者が必要な介護を受けられなくなる事態が出てくるのではないか。これが介護崩壊の懸念です」
また、「医療と介護は表裏一体です。介護の支援は医療の支援につながると私は考えます。介護の場で適切にサービスが提供されることで、高齢者を医療の場に送ることを防いでいます」とし、「介護現場と高齢者に支援がなされ、介護サービスを適切に提供することが、もしかしたら医療崩壊を防ぐ一助になるかもしれないと考えます」と話している。
(J-CASTニュース編集部 青木正典)