2020年5月2日から5日にインターネット上で行われる「エアコミケ」に向けた準備が進んでいる。
サークル参加者からは「お品書き」と呼ばれる頒布物一覧が掲載され、Circle.ms(サークル・ドット・エムエス)、ピクシブなどからはエアコミケ向けのツールが発表された。
サークル参加者はお品書きの発表、コスプレイヤーは「エア併せ」募集
世界最大級の同人誌即売会コミックマーケット(以下コミケ)は、「同人誌を中心としてすべての表現者を受け入れ、継続することを目的とした表現の可能性を拡げる為の『場』である」という理念を基に、作品の発表を行うサークル参加者と読者である一般参加者などの交流の場を築いてきた。
2020年5月開催予定だったコミケ(C98)は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止となったが、その代わりにインターネット上の企画「エアコミケ」を行う。
インターネット上では、コミケ準備会の呼びかけに応じて「エアコミケ」への参加を表明する声が上がっている。サークルからは、エアコミケ期間に通販を行う頒布物一覧、いわゆる「お品書き」がアップされている。例年会場規模を上回る数のサークルが参加希望を行っているが、今回はインターネット上の企画となったことで、本来の抽選から漏れてしまったサークルも参加することができる。
通販は各サークルが個人で設定するためそれぞれ販売サイトが異なるが、コミケ準備会らの行うキャンペーン「がんばろう同人」プロジェクトに参加する「メロンブックス」、「とらのあな」といった同人ショップのサイトではエアコミケ専用ページが設けられている。
エアコミケに参加表明を行うコスプレイヤーの中には、サークル参加として写真集の通販を行う人や、「エア併せ」を開催する人も。「併せ」とは、同作品のキャラクターのコスプレイヤー複数人で集まることで、より作品の世界を楽しむ企画。「エア併せ」では、写真を共有したり、同時にそれぞれの自宅から映像配信を行ったりなどしてインターネット上で「併せ」を行う。写真は過去にスタジオやイベントで撮影したものや、自宅でコスプレを行う「宅コス」の写真などが用いられる。
エアコミケ公式ツイッターは、「エアコミケ」のハッシュタグを用いて参加した人のツイートをリツイートで共有することで、サークルやコスプレイヤーなどの表現者と一般参加者をつなぐ役割を果たしている。
企業からはエアコミケの設営に向けたツールが登場
コミックマーケットなど同人誌イベントの申込サイトを運営するサークル・ドット・エムエス(東京都千代田区)は4月28日、「エアコミケ」の「WebカタログView」を公開した。エアコミケのWebカタログViewでは、サークル参加申し込みを行ったサークル(抽選漏れ含む)を見ることができる。
「サークルカット」という、各イベントのカタログに掲載される1コマのイラストをクリックすると、試し読みができる「見本誌」の閲覧やどこで通販が行われているかを確認できる。「まるで会場にいるみたい」にカタログを見ながら気になったサークルへ足を運ぶように、インターネット上で買い物を行うことができるとしている。
イラストコミュニケーションサービスを運営するピクシブも2020年4月30日、ウェブ上にサークルスペースを設営できるツール「サークルスペースメーカー」を準備していると発表した。ピクシブの告知したイラストでは、即売会で行われるような同人誌のディスプレイをインターネット上で行い、ツイッターなどSNSで告知できるものを示唆している。エアコミケや、赤ブーブー通信社の開催するエア同人誌即売会「エアブー」で用いることができ、同人誌の通販のほか、自社のサイトpixivのイラスト・マンガ・小説も設置できるとしている。こちらは5月1日リリース予定。
コミケWebカタログに「エアコミケ」を実現する新機能が登場!
— circle.ms (@circlems) April 28, 2020
エアコミケViewで作品の閲覧、購入がスムーズに!
サークルの皆さんは18万user、1600万pvのWebカタログに情報を登録して作品をアピールしてください!
新機能に関する情報は >>>https://t.co/9bqE4E2okS#エアコミケ #がんばろう同人 pic.twitter.com/Ur86gqlu40
【お知らせ】
— pixiv (@pixiv) April 29, 2020
ピクシブでは、Web上にサークルスペースを設営するツールを準備中です!
通販同人誌のほか、pixivと連携してイラスト・マンガ・小説も設置できます。
同人企画の盛り上げに、ぜひご利用ください
5/1(金)リリース予定です pic.twitter.com/tdhQcl6MlJ