東大は4月入学からの全面移行を検討したが...
9月入学をめぐっては、東大が2011年、国際化の対応を加速させるために4月入学からの全面的な移行を検討したが、高校卒業後に半年間の空白が生まれることなどが問題になり、見送った経緯がある。
千葉大教育学部の藤川大祐教授(教育方法学)は、こういった経緯を念頭に
「基本的には秋入学に変えた方がいいだろう、という流れが元々あった。新型コロナの問題で数か月の休校期間が生じてしまったということを踏まえると、この機会に実施するのが望ましいのではないか」
と9月入学への移行に前向きだ。4月入学の場合、入試はインフルエンザが流行して受験生が体調を崩したり、積雪で交通機関が乱れたりしやすい季節に行われる。9月入学に移行した場合、入試は6月頃に行われるとみられ、これもメリットだ。
「体調を崩しにくい時期に変更するのは良い方法。梅雨の季節だが、それで体調を崩す人は余り多くない。6月なら台風もあまり来ない」(藤川氏)
夏休みには部活の大会も多く行われるが、酷暑が続く最近の状況を踏まえると、時期を移して「春頃に大会優先期間のようなものを設けるべきでは」と提言する。