乃木坂46の25thシングル「しあわせの保護色」Type-Dに収録のカップリング曲の「I see...」がじわりじわりとブレークしている。
グループで最も後輩にあたる4期生のうち11人が歌唱する曲だが、2020年4月26日には、YouTubeでのMV再生回数でついに表題曲の「しあわせの保護色」を抜いたことが話題になった。この動きを後押ししたのは乃木坂46ファンだけでなく、「SMAP感」という感想が広まり、多くの人の興味を引いたことだった。
全盛期SMAPを彷彿?
「I see...」のMV公開は3月18日で、3月5日公開の「しあわせの保護色」より遅かった。しかし公開されると「SMAPっぽい」という感想を抱いたリスナーが多数現れ、乃木坂46ファン以外にも知名度を広げた。4月26日には再生回数で「しあわせの保護色」を抜いたことがツイッターでもトレンドに上った。28日17時頃の時点でも「I see...」の再生回数約606万回に対し「しあわせの保護色」約599万回で上回っている。
あらためて「SMAPのよう」と言わせる「I see...」を聴いてみよう。ファンキーなサウンドが「SHAKE」「青いイナズマ」など90年代後半~00年代にヒットを連発していた頃のSMAPの楽曲を想起させる。キャッチーで覚えやすく、女性アイドルファンのみならず、90年代のポップスを知る世代でも興味を持ちやすい曲のようだ。
SMAPと直接の関わりはないが、この曲を作曲した音楽ユニットのyouth caseと編曲の佐々木博史さんはともにジャニーズにも楽曲を提供してきた実績がある。例えばyouth caseが嵐の「Step and Go」、佐々木さんが同じく嵐の「Sakura」「愛を叫べ」などである。ジャニーズ王道のサウンドの一種が「I see...」にも反映されていた、といえるかもしれない。
コロナ禍でロングMVが残った「幸運」
そんな後押しを受けて「I see...」はブレークした。MVの視聴者には従来からの乃木坂ファンだけでなく、SMAPを懐かしむジャニーズファンらも加わってコメントが投稿されている。また4期生主演の、dTVで配信中のドラマ「サムのこと」「猿に会う」の主題歌に採用されたことも影響しているだろう。
当初、MVは「しあわせの保護色」とともにリリース日の3月25日にショートバージョンに差し替えられる予定だったが、新型コロナウイルスの影響でリリースイベント・握手会等が軒並み延期となり、ロングバージョンのまま今に至る。このため、映像の中の4期生の表情やしぐさをじっくり鑑賞できて「4期生を推したくなった」「まいやん(白石麻衣さん)が卒業しても乃木坂の未来は明るい」「このままで、ショートバージョンにしないで」という感想も現れ、音楽番組やライブで見てみたいという声も。
新型コロナの影響で明るい話題が少なく、先行きが見通せないアイドル音楽のジャンルだが、意外な形でライト層にもブレークした「I see...」は、リスナーと乃木坂46・4期生の将来をポジティブに照らしているかもしれない。
(J-CASTニュース編集部 大宮高史)
(4/29追記 読者からの指摘を受け、記事を一部修正しました)