コード決済「Origami Pay(オリガミペイ)」の主要機能が、2020年4月28日22時をもってサービス終了となる。
メルカリ子会社の「メルペイ」への統合によるもので、6月末には全機能が終了される。
金融機関口座による「スキャン支払い」は継続
Origami Payによる支払いは、4パターンにわけられる。アプリに表示したコードを店舗側が読み取る「コード支払い」と、店舗設置のコードを客がアプリで読み取る「スキャン支払い」で、それぞれクレジットカード(デビットカードも)と金融機関口座による支払いが選べる。
今回終了するのは前者3パターンで、金融機関口座による「スキャン支払い」は、レシート閲覧などとともに6月30日22時まで利用できる。しかし、主要チェーン店では「コード支払い」のみの対応が多く、加盟店は激減することになる。
Origami Payは16年5月に正式サービスを開始。PayPay(18年10月)などの競合他社より早く登場し、人気ロックバンド「サカナクション」が決済音を担当するなど、スタイリッシュな印象を与えた。ポイント還元ではなく、値引きやクーポンが特徴で、一時はモデルで女優の水原希子さんを起用したテレビCMも流された。
18年12月からは「オリガミで、半額。」キャンペーンとして、吉野家を皮切りに、ファストフード店、コンビニエンスストア、居酒屋チェーンなどで代表的商品の半額を値引きするクーポンを配布。PayPayによる「100億円あげちゃうキャンペーン」が社会現象となった直後だった。
「ありがとう、Origami Pay...」
キャンペーン開始当時の拙稿(18年12月19日配信)では、コード決済各社に加え、ニュースアプリもライバルになり得るとして、
「大規模なキャンペーンを行ったPayPayや、アプリの普及率がケタ違いのLINE Payと比較すると、まだ知名度の面では欠ける印象にある」
「Origamiの知名度が高まるかは、いかに『半額』のインパクトをアピールできるかにありそうだ」
と指摘していた。筆者の懸念通り、知名度を高めることが出来なかったOrigami Payは、今年に入ってメルペイに買収された。サービスやブランド名を「メルペイ」に統一し、アプリも共通化されない、事実上の吸収合併だ。
「こんにちは、キャッシュレス。」をキャッチフレーズに、日本におけるコード決済を切り開いた先駆者とも言えるが、ツイッターでは、
「ありがとう、Origami Pay...」
「ありがとうさようなら Origami Pay」
「そういえばOrigami Payでクレジット決済できるのって今日が最後なんですね」
といった投稿がチラホラ見えるのみで、その数は決して多くない。全機能が終了する2か月後には、ユーザーによる「惜別の嵐」が起こるのだろうか。
(J-CASTニュース編集部 城戸譲)