「原作も読んだけど全く別物」
そこで、原作である同名小説を見てみると、確かに、「合宿シーン」に該当する箇所は存在し、長距離走などが訓練内容として盛り込まれていたとの記述はあるが、「風呂場で転倒して脱臼した翌日に長距離走が行われた」「重りが入ったリュックを背負って走った」といった要素は見当たらず、ましてや、「長距離走の順位によってはデビューが取り消される」などという箇所は全くなかった。どうやら、ドラマ化に際してそれなりの脚色が行われているようだ。
また、第2回の冒頭では、まだ別の芸能事務所に所属しているアユについて、マサがその芸能事務所の社長に対して直談判を行い、移籍の許可を得るシーンが放送されたが、原作では、エイベックスに入る前に前所属事務所を退所しており、こちらは、「史実」とは全く異なる展開になっていることが分かる。このためか、ツイッター上には、「ドラマのM愛すべき人がいてめっちゃ面白いんですけどー。原作も読んだけど全く別物」といった声すら上がっている。
ただ、これらの声は想定済みなのか、ドラマ中の「マサ」に相当するエイベックスの松浦勝人会長は、4月19日深夜放送の自身のラジオ番組「max matsuura 仕事が遊びで遊びが仕事」(ニッポン放送)で、ドラマについて、「原作からはだいぶ離れてます」と話しており、小説の内容をそのままドラマ化するわけではないと明かしている。加え、第1回と第2回のオープニング部分では、「ドラマオリジナルの要素を加えたフィクションです」とのテロップが表示されており、やはり、小説そのままがドラマになるわけではないのは明らかだ。