元楽天ヘッドコーチが注目する新人投手 即戦力で先発ローテに入るのは...

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   今年も多くの新人がプロ野球の世界に入った。MAX163キロ右腕・佐々木朗希投手(ロッテ)、強肩、強打の石川昂弥内野手(中日)、甲子園準Vの奥川恭伸投手(ヤクルト)ら将来性豊かな新人が顔を揃える。

   この中から何人の選手が今シーズン、即戦力として1軍で活躍することができるのか。J-CASTニュース編集部は楽天の元ヘッドコーチで、巨人、西武、ヤクルトでコーチを務めた橋上秀樹氏(54)に話を聞いた。

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「どれだけの伸びしろがあるか楽しみ」

   2020年の今シーズンの注目新人は、なんといってもロッテの佐々木投手だろう。身長190センチから繰り出される直球はMAX163キロを記録し、大船渡高(岩手)時代から注目を集めていた。昨秋のドラフトでは日ハム、ロッテ、楽天、西武の4球団が1位で指名し、交渉権を獲得したロッテに入団が決まった。

   橋上氏は佐々木投手について「ダイヤの原石」と表現した。

「佐々木選手の高校は野球の強豪校ではないので、どれほどの練習量、質の高さがあったのかは分かりませんが、ポテンシャルでいえば断トツでしょう。プロに入って鍛えていくことで大きく成長すると思います。どれだけの伸びしろがあるか楽しみでもあります」(橋上氏)

「昔は190センチを超える投手は大成しないと...」

   歴代の新人投手の中でもトップクラスの評価を与える橋上氏だが、その一方で次のような指摘も。

「最近は身長の高い好投手が増えましたが、昔は190センチを超える投手は大成しないと言われていました。身長が高ければ角度が付き、遠心力でスピードが増しますが、手足の長さを制御することが難しく、自分でうまく使いこなせずにバランスを崩してしまうケースもあります。一度、投球のバランスを崩してしまうと修正するのはなかなか難しい。ただ、佐々木投手の場合は体のバランスが良く、筋力も付いていますので心配ないとは思いますが、指導者は焦らずに育ててほしいですね」

   また、橋上氏は、「予定通りに公式戦が開幕していれば」と前置きした上で、「佐々木投手は夏までに1軍のマウンドに上がっていたと思います。体力的なことなどを含めて先発ローテーション入りは少し酷だと思います。首脳陣もそれは考えていないと思います。おそらく様子を見ながらの起用になるでしょう」と話した。

「普通にローテーションに入るでしょう」

   新人投手の中で橋上氏が先発ローテーション入りに期待するのが、広島のドラフト1位・森下暢仁投手と、DeNAのドラフト2位左腕・坂本裕哉投手だ。ともに大卒投手で、森下は明大、坂本は立命館大で活躍した。

「森下投手は非常にコントロールがいいですね。バランスもいいです。6大学でも数字を残していますし、故障さえしなければそこそこはいけるはず。先発ローテーションに入る力は十分にあると思います。まっすぐのスピードもありますし、球種も多く、プロで勝てる要素を持っている」(橋上氏)

   そして坂本投手については「チェンジアップの抜けの良さが印象的でした」と語る。2月のキャンプで坂本投手の投球をブルペンで視察したという橋上氏は「制球力、投球フォームのバランスが非常にいい。縦の変化も良かったですね。腕の振りが一定で、多彩な変化球を持っている。普通にローテーションに入るでしょう。DeNAは左の好投手が多いので、先輩から良いアドバイスをもらえるでしょう。成長しやすい環境にいると言えますね」と指摘した。

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