署名活動の影響はあったのか? 明治学院大、全学生5万円「英断」の根拠

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   明治学院大学はオンライン授業の実施にともなう学習環境整備のため、すべての在学生に1人あたり5万円を支給することを決めた。2020年4月21日にウェブサイト上で発表されると、大胆な対応にインターネット上では「英断と思う」といった声があがった。

   新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止にかかる緊急事態宣言発令にともない、明学大は8日から、他の多くの大学と同様にキャンパス内への入構を禁止している。一方で学内施設が利用できなくなり、在学生はネット上で「学費一部免除」を求めて署名活動を展開。2000人以上の賛同者を集めていた。ただ、今回の支給決定について同大の担当者は取材に「署名活動の影響はありません」としている。

  • 明治学院大学の新型コロナウイルス感染症に関する特設ページより
    明治学院大学の新型コロナウイルス感染症に関する特設ページより
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「学修環境全般を整えていただくための緊急支援」

   明学大は21日、「学生がスムーズに勉学に取り組むことができるよう、次のような対応を行うことといたします」として、主に金銭面の対応について説明。その中で、「遠隔授業を実施していくにあたり、本学では学生各自によるオンライン環境の整備をお願いしております。インターネット環境の整備、パソコン、周辺機器、といった準備が必要になります。そのための経費負担を少しでも軽減し、学修環境全般を整えていただくための緊急支援として、奨学金積立額より在学生全員に一人当たり一律 50,000 円を支給いたします」と伝えた。

   このほか、「新型コロナウイルスの影響で(雇用の喪失や収入の急減など)家計が急変し、勉学の継続に支障をきたした方」を対象に、「特別な奨学金による救済措置」を検討している。また、20年度春学期の学納金について、4月末を期限としていた納入期限を5月末までに延長する。

   明学大は東京・白金と横浜にキャンパスを構える。緊急事態宣言発令にともない、東京都や神奈川県が休止要請した施設の中には大学も含まれた。同大は4月8日~5月6日の間(延長の可能性あり)すべてのキャンパスを入構禁止。4月20日からはオンライン授業を開始し、5月7日以降も継続すると公表している。対面授業に移る場合は2週間前に予告するという。

   入構禁止期間中は学内施設が利用できないなどの制約が生じる。この点、上記21日の発表では、「明治学院大学では、オンライン授業の期間があっても、例年と変わらない質とレベルを保った教育を行うことを第一に考えております。当分の間、対面授業ができないという制約がありますが、そうした中でも明治学院の目指す教育をできるかぎり続けていくことが、本学に求められていると考えます。本学では『授業料』『施設費・設備費』については、これを単なる『個々の教育サービスに対する対価』や施設、設備の『利用料』とみなす考え方には立っておりません。新型コロナウイルス禍が終息するまで、オンライン授業によって教育の質を維持すると同時に、キャンパス、施設、設備の維持管理にも万全を期す所存です」と説明。このため、

「現時点で『授業料』『施設費・設備費』の返還ならびに減額は考えておりません」

と示した。

   なお今回発表した内容については、今後の情勢変化にともない「変更が生じる場合があります」としている。

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