「市中での感染はより蔓延している可能性」
その調査によると、新型コロナ以外の治療に来た無症状の患者67人に対し、同大学病院が4月13~19日に行った術前・入院前のPCR検査で、4人の陽性者が確認され、全体の約6%を占めた。この結果について、「院外・市中で感染したものと考えられ、地域での感染の状況を反映している可能性があり、感染防止にむけてさらなる策を講じていく必要がある」と病院長は述べている。
山中教授は、自らのサイト上でその後、「東京の感染者はもっと多いかも」のタイトルでこの調査結果に触れ、「より多くの検査が必要であるが、市中での感染はより蔓延している可能性がある」と言っている。
慶應義塾大学病院の調査について、神戸大学大学院の岩田健太郎教授も、都内などで感染者は多いが見つかってない可能性があるとツイッターで指摘した。自らのサイト「楽園のこちら側」では、調査で示された陽性割合を元に、「東京都の感染者は良いシナリオで23万人以上、悪いシナリオで430万人以上ということになる」と推計を出している。
ただ、重症者や死亡者が少ないことも同時に挙げた。その理由としては、日本人の体質やBCG予防接種の普及といった内因的要素な要素があるのではないかと推測した。
もっとも、同病院で小規模なクラスターが発生したため、陽性者の割合が高くなった可能性もあるとはしている。