元通訳が明かす外国人助っ人ユニークエピソード トイレから選手の奇声、確認すると...

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ボールが見えなくなった原因は...

   次のエピソードは、ペナントレース終盤での出来事だ。夏場を過ぎてから打率が下がりだしたある選手が、通訳にこう言ってきたという。

「バッターボックスでボールが全然見えないんだ」

   これを聞き、慌てた通訳は急いでその選手を病院に連れていき精密検査を受けさせた。数日後に出た診断の結果は、ストレスによる「ドライアイ」だった。打席に入って目が乾くあまり、瞬きを激しく繰り返したことで、ボールが見えなかったという。その選手は単年契約だったため、翌年の契約を勝ち取るためには結果を残すことが必要だった。これが大きなプレッシャーとなり、多大なストレスが溜まったという。

   また、初来日した選手に「試食」させる定番の食べ物は「納豆」と「梅干し」だ。チームメイトが外国人選手のリアクション見たさに勧めるそうだ。残念ながら「納豆」と「梅干し」はあまり外国人選手の受けが良くなく、好んで食する選手は少ないという。その一方で、人気のメニューは「寿司」と「焼肉」だ。元通訳によると、過去には絶対に他人に肉を焼かせない「焼肉奉行」もいたそうで、その選手は相当なこだわりを持っていたという。

「日本に来る多くの選手は不安を抱えています。野球のスタイルも日米では異なりますし、言葉が通じないストレスもあります。食文化や気候になじめない選手もいます。そのような選手らの生活をサポートするのも通訳の役目です。グランドの中だけではなく、生活の一部を共有することで選手の性格などが見えてきますし、新たな発見もあります。いま、新型コロナウイルスの影響で多くの外国人選手が不安の中にいると思いますが、なんとかモチベーションを保って頑張ってほしいですね」(元通訳)
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