日本看護協会長がメディアに指摘 報道されない「焦点」とは

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   日本看護協会の福井トシ子会長は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が進むなかでの看護の現状について、2020年4月22日に日本記者クラブ(東京都)で会見を行った。

   新型コロナウイルス対策として、記者を会見場に入れない異例の「オンライン会見」で、国やメディアに対する看護界からの「要望」を語った。

  • 異例の「オンライン」で行われた会見(左は日本看護協会・福井トシ子会長)
    異例の「オンライン」で行われた会見(左は日本看護協会・福井トシ子会長)
  • 異例の「オンライン」で行われた会見(左は日本看護協会・福井トシ子会長)

防護服代わりに「ビニール袋」使用例も

   会見は日本記者クラブの会見場内で行われ、福井会長と司会、日本記者クラブの事務局職員など数名のみが出席。記者はビデオ会議システム「Zoom」で会見の様子を取材し、質疑応答もZoomを通じて行われた。

   福井会長はまず看護現場の現状について説明を始めた。医療機関の院内感染が全国的に相次ぐ中で、看護師の防護具が不足。多くの看護師が十分な感染対策が取れていない状況で、防護服代わりに「75リットルのビニール袋」を使用している人もいるとした。

   人手不足も深刻だ。通常、集中治療室では10床あたり患者2人に対し看護師1人の割合で稼働しているが、新型コロナの感染拡大で人口呼吸器やECMO(体外式膜型人工肺)の使用患者が増えると数十人単位での増員が必要となる。このため、手術延期や外来予約のキャンセルなどで一般の患者が少なくなった分、一般病棟で働く看護師を集中治療室に動員している状況だという。

   協会には看護師からの相談も多く寄せられている。具体的には「自らの感染・家族への感染が不安で精神的に辛い」「妊娠を継続しながら医療機関で勤務しており、家族からは『出勤するな』と言われた」などだ。

   「コロナ差別」の被害も報告されている。「タクシーに乗車しようとした際、乗車を拒否された」「馴染みの定食屋等から来店しないでほしいと言われた」など看護職に就く自身に対するものや、「夫が勤務先より休むよう言われた」「学校で子供がいじめにあった」とその矛先が家族に向けられた例もあるとした。

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