扶桑社は妖怪「アマビエ」のイラストなどを収録した書籍「みんなのアマビエ」を2020年5月19日に発売する。
漫画家の作品から、一般人が投稿したものまで
アマビエは江戸時代末期に肥後国(熊本県)に出現したとされる妖怪で、疫病の流行を予言し、「私を描いた絵を人々に見せよ」と言い残したと伝えられている。新型コロナウイルスの感染拡大により、「疫病よけ」としてアマビエのイラストなどをSNSに投稿することがブームとなっている。
「みんなのアマビエ」は、疫病退散の祈りをこめてツイッターに投稿された作品などを集めた書籍。「『みんなのアマビエ』編集部」として3月25日からツイッターアカウントを稼働し、「アマビエの絵や作品を募集中」としてハッシュタグ「#みんなのアマビエ」を付けての画像投稿を呼びかけた。タグと共に投稿された画像をリツイートし、その中でも書籍に掲載したいと考えた作品については、ダイレクトメッセージで作者に願い出たという。
「漫画家編」、「造形・工芸編」、そして「絵画・イラスト編」とコラム1本で構成され、イラストや彫刻、陶芸、織物など、全87人の作品を収録。また、「#みんなのアマビエ」タグで投稿された一般の作品のほかに、「水木プロダクション」アカウントで公開された故・水木しげるさんのアマビエ絵など、ツイッターに投稿された漫画家8人の作品も掲載されている。
企画に至った経緯について、編集担当にJ-CASTニュースが取材したところ、
「140年の時を超えて現代によみがえり、SNSで拡散されているアマビエ現象を、記録に留めたいということが一つ。 また、コロナ禍で社会不安が広がる中、愛嬌のあるアマビエを見て、少しでも皆さんの心が穏やかに安らぐといいなと思いました(私自身がいろんなアマビエの絵を見ながら癒されたので)」
とコメントした。
全国の書店・ネット書店で発売し、アマゾンなどで予約を開始している。価格は1000円(税別)。また、売り上げの一部は新型コロナウイルスの対策のために寄付する予定という。