マンガの世界も「コロナ後」は変わる?
「取締役 島耕作」はフィクションであるし、描いた当時と発行時で新型コロナウイルスの状況も違ってくる。非現実的な描写と読者が受け止めるのも無理はないかもしれない。むしろ、マスク以外は昔ながらの日本企業でありがちな光景が展開されているという中途半端さが日本らしく、かえってリアルだという感想もあるようだ。さらには本作のこれまでの作風から「濃厚接触しないのか」などの展開を期待する感想も出ている。
これに限らず、現代を舞台にしたマンガで新型コロナの影響をどう描くかは、少なくないマンガ家が抱える悩みのようでもある。ドラマ化もされた「クロサギ」などで知られるマンガ家の黒丸(くろまる)さんは、「最近は漫画家仲間と話すと、『今描いてる漫画は、新型コロナが無い世界線。その違和感はどうしたらいいのか』という話になる。特に青年誌は、時代性はなかなか無視できない」とツイッターに投稿している。
社会の習慣が大いに変わってしまいかねない新型コロナの蔓延は、今後マンガの描写にどう影響を与えるだろうか。
(J-CASTニュース編集部 大宮高史)