米ニューヨークの原油先物市場は2020年4月20日、取引価格を史上初めての「マイナス」で終えた。新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が停滞し、石油の需要が減少したことが影響している。
前代未聞の「珍事」を受け、日本のツイッターでは「逆オイルショック」や「石油王」が一時トレンド入りするなど、一部ユーザーの間で「大喜利」が繰り広げられている。
トイレットペーパーはどうなる
米原油価格の指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油は、受け渡しをするオクラホマ州クッシングの貯蔵施設が、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた石油需要の減少によって5月中にも満杯になると言われている。そうした中、20日は原油の保管コストなどを懸念するトレーダーの間で翌21日に取引期限を迎える「5月物」の売りが相次ぎ、最終的には1バレルあたりマイナス37.63ドルで取引を終えた。
原油価格がマイナスになったのは史上初めてのことだ。日本のツイッターでは、原油価格が高騰した1973年の「オイルショック」になぞらえた「逆オイルショック」や、「石油王」といったワードが21日午前にトレンド入りした。
ツイッターユーザーの間では、オイルショックを象徴とする出来事として伝えられる「トイレットペーパーの買い占め」を引き合いに、
「スーパーから大量のトイレットペーパーが溢れ出てきて街を埋め尽くす」
「民衆がトイレットペーパーをひたすら売り場棚に置きはじめる」
など、当時とは「真逆」の現象の発生を予想するツイートがみられた。