「アフターコロナ」を見越して
さくらリポートが公表されたのは4月9日であり、政府が4月7日に東京や大阪など7都府県を対象に発令した緊急事態宣言(のち対象は全国に)の影響はほとんど反映されていない。ますます経済環境は厳しくなると見込まれるが、一方で感染拡大や外出自粛で売れる商品もあり、さくらリポートは「冷凍食品等を買い込む動きが続いており、2月に引き続き3月についても売上は前年を上回った」(スーパー)、「空気清浄機や加湿器の販売が大幅に伸びている。また、買い込んだ冷凍食品を保管するため、専用の冷凍庫を購入する人も目立つ」(家電販売業)といった声も紹介している。
感染が終息した後の「アフターコロナ」を見越して、「短期的な景気の変動にかかわらず、あらゆるモノをインターネットにつなぐ「IoT」化や次世代通信規格「5G」の商用化、自動車の電装化など中長期的な成長分野への積極的な能力増強投資や研究開発投資を継続している」(電子部品業)といった前向きな企業もある。この局面をいかに乗り越え、終息後にV字回復を果たすための蓄積ができるかどうかが今後の鍵となりそうだ。