新型コロナウイルスの感染防止対策として、100均ショップ「セリア」がレジであいさつなしの無言対応をしたり小さな防御シートを設置したりしたことについて、店員や客からクレームが相次いでいる。
これに対し、セリアは、誤解を生むなどしたとして、こうした対応を改善することをJ-CASTニュースの取材に明らかにした。
半透明の下敷きのようなシートが、レジの上から吊る下げられ
何やら半透明の下敷きのようなシート(横50センチ、縦35センチ)が、レジの上から吊る下げられている。
これは、セリアが2020年4月16日ごろから全国各地の店舗で始めた感染防止の取り組みだ。
また、14日ごろからは、「飛沫感染等防止のためのお願い」と大きく書かれたポップの張り紙がレジなどに掲げられ、そこでは、「会話を極力減らすため あいさつ・金額のお伝えは控えさせていただきます」などとあった。
こうした対応について、ツイッター上では、店員や関係者だとする人らから、不満の書き込みが相次いでいる。
レジに透明なテーブルクロスなどを張ったのに会社からは前出のシートにするよう指示された、無言でレジをして客に「ありがとう」の一言も言えないのはつらい、といったものだ。小さなシートでは飛沫感染を防げるとも思えないし、無言で接客するため客から苦情を言われてしまうといった声が出ている。
J-CASTニュースが情報提供を求めてサイト上に設けた情報提供フォームにも、各地からセリアの店員だとする人からの読者投稿が相次いだ。
セリアでパート従業員をしているという男性は17日、レジに吊る下げたシートは小さすぎると指摘し、ジェスチャーだけでレジをするように言われたとして、会社への不満をぶつけた。
「クリアなビニールシートにしたかったが、準備が整わなかった」
また、アルバイトをしているという30代女性は18日、ショッピングモールが休業になった店から路面店に客が流れてきて、レジにシートを張るなどしても、朝から晩まで列が途切れずに感染が心配だと嘆いた。「生活があるので辞めるわけにはいきませんが、せめて土日だけ休業などの策をとってくれないと、スタッフの気力も体力も限界がきています」と訴えていた。
レジのシートについて、セリアの営業部は4月20日、取材にこう説明した。
「本来は、クリアなビニールシートにしたかったのですが、準備が整っていませんでした。固さのある店の商品から、一番大きなサイズのを選びました。それが曇りの入ったポリプロピレン製のシートです」
そして、セリアでは20日、透明なビニール製のテーブルクロスなどでもよいとする通知を各店に出したことを明らかにした。また、会社で用意したシートの2.5倍の大きさのアクリル板を今週中に配るともした。
あいさつなどを控えるとしたポップの張り紙については、「見落として認識されていないお客さまから苦情があり、スタッフも心理的なストレスがあったのは事実です」と認めた。レジで誤解が生まれるなどしたとして、早ければ20日から、ポップを差し替えることを明らかにした。あいさつや金額など最低限の会話は行い、必要以上の声かけを控えるのは継続するとしている。
短縮営業や臨時休業は、イオンなどに入居している店や路面店の一部で行っているというが、「生活必需品を扱っていると考えていますので、セリアとしての営業は継続します」と話す。取材時点では、全体の9割ぐらいが営業している状態だとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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