「党の検疫ガイドラインが適切に実行されておらず、人民経済に深刻な損害」
一方で、RFAは北朝鮮国内の2つの情報源の話として、感染者が出たことに関する住民説明会が3月末に行われたことを伝えている。ひとつめの情報源が、北東部の両江道(リャンガンド)の住民だ。この住民が4月16日にRFAに明かしたところによると、説明会は
「最高指導者の政策を貫徹するために新型コロナウイルス防疫事業を団結して行おう」
と題して行われ、登壇者は国内に感染者が確認されたことを明らかにした上で、
「党の検疫ガイドラインが適切に実行されておらず、人民経済に深刻な損害を与えた」
として
「さらなる損害を阻止するために、一丸となって新型コロナウイルスとの戦争に勝利しよう」
などと呼びかけたという。これを聞いた住民の間には、
「政府はこれまで、党の徹底的な緊急検疫対策で一人も感染者はいないと言っていたのに、なぜこんなことが起こるのか」
といった困惑が広がったという。この説明会での説明によると、感染者が確認されたのは平壌、南西部の黄海南道(ファンヘナムド)、北部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)の3地域。
RFAのもうひとつの情報源は平壌の住民で、平壌の説明会も同様の内容だったという。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)