テレワークとは、戦いである。ここ1か月ほど、在宅勤務を取り入れて、たどりついた結論だ。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、J-CASTニュースでもテレワークが浸透しつつある。編集部で早くから在宅勤務を行っている筆者(30代・副編集長)が、この1か月弱を振り返る。
休憩の取り方が難しい
まず筆者の現状から説明すると、2020年3月中旬に数回テレワークを実践し、3月27日から現在(4月20日)に至るまで、オフィスへ出社したのは4月3日のみだった。在宅勤務の日は、徒歩数分のスーパーマーケットへ食品や消耗品を買いに行くだけで、必要最小限の外出にとどめている。
通勤時間ゼロな上に、部屋着での勤務は、とても快適だ。外に出られないと、必然的に自炊も増え、出費も少なくなる。プライベートと仕事が溶け合う日々を過ごすなかで、それらをどう切り分けるかが、生活のカギを握ると気付いた。怠惰な自分としては、日々自分との戦いである。
難しいのが休憩の取り方だ。いろいろと試行錯誤したが、私の場合は1時間まとめて昼休みを取るよりも、数十分の仮眠をとりつつ、調理や食事、洗濯などの家事を適宜ちりばめるスタイルが合っているようだ。
ネットメディアの編集職は、本来テレワークとの親和性が高い。原稿チェックなど、いわゆる「デスク」であれば、自宅からでも業務内容には、あまり変化がないからだ。細かい表現が気になるときには、執筆者に電話確認する。筆者はデスク業務を週2日、あとの3日は原稿執筆にあてる勤務形態をとっているが、パソコンとスマートフォンのテザリングさえあれば、大きな支障はない印象だ。
長期的な「心のケア」が必要になる
仕事内容そのものには影響がないと書いたが、一方で変わったのがコミュニケーションだ。気軽に雑談できないもどかしさは、日を追うごとに積み上がっている。そこに拍車をかけるのが、諸事情により出社を余儀なくされている同僚の存在。実際にそんな事はあり得ないのだが、オフィスにしばらく顔を出していないと、新型コロナ収束後に「輪」へ戻れないのではないか、と疑心暗鬼になってしまう。
「コロナうつ」なるフレーズも広がりつつある。心のケアは多くの職場で、これから長期的な課題になるはずだ。外出自粛中のみならず、収束後のリハビリ期間にも、個々の部署ではなく企業全体で、いかに孤独を感じさせないかが重要となる。
テレワーク生活には可能性がある一方で、いかに誘惑や孤独と立ち向かうか、といった課題もある。緊急事態宣言が全国に拡大され、大都市圏以外でもテレワーク移行の動きが進んでいる。今回振り返ったのは、ネットニュースに限った話ではあるが、他業種にも共通する部分があるだろう。この「戦い」が終わる日を待ち望んでいる。
(J-CASTニュース編集部 城戸譲)