外出自粛で混雑...レンタルビデオ店員のSOS 「危機感がない」客にヒヤヒヤ、働くのが「恐怖です」

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   新型コロナウイルスの中でも働く人の中で、「私たちの状況を取り上げてほしい、取材してほしい」人はいますか――J-CASTニュースがネット上で情報を募ったところ、際立って多くの「SOS」が寄せられたのが、DVD・ビデオレンタルショップの従業員だという人々からだった。 

   DVD・ビデオレンタルショップについて、東京都などは緊急事態宣言に基づいて休業要請をしているが、大手の1つ「ゲオ」は、ほとんどが短縮営業に留まっている。

   ライバルのTSUTAYAは、都内では20店が臨時休業している。短縮営業に留まる理由について、ゲオ側に話を聞いた。

  • 短縮営業などを告知したゲオの公式サイト
    短縮営業などを告知したゲオの公式サイト
  • 短縮営業などを告知したゲオの公式サイト

「お客さんはマスクをしていない人や家族総出で来店されてる方も」

「お客さんはマスクをしていない人や家族総出で来店されてる方もいます。そして色々なところに触れています。私は週末の夕方~閉店までのアルバイトですが、恐怖です」

   ゲオでアルバイトをしているという新潟県内のある店員は、J-CASTニュースにこんな悲痛な声を寄せた。

   東京都は2020年4月13日、DVD・ビデオレンタルショップも含めた休業要請リストを公式サイトで発表した。床面積1000平方メートル超の店舗は「要請」、100平方メートル超は「協力を依頼」、100平方メートル以下は「感染防止対策の徹底を依頼」との表現になっているが、基本的には休業要請の対象だ。

   ゲオでは、政府による緊急事態宣言発令後の8日、短縮営業や臨時休業の店舗があることを公式サイトで発表していたが、都などの要請が出た後も新たな発表はしていない。

   そんな中、店員だとする人たちからツイッターなどで営業継続などに不満の声が上がっていた。J-CASTニュースではサイト上で情報提供フォームを設けていたが、15日に改めてツイッターでこのURLを紹介したところ、ゲオ以外も含め、レンタルビデオ店で働く人々からの情報が多数寄せられるようになった。

   外出自粛を求められて「巣ごもり生活」になっている人が多く、そんな人たちが店に次々に来ているというのだ。

店に来ている客にも危険が及びかねないとの指摘が

   ゲオでアルバイトをしているという東京都内の20代女性は、「現在、レンタルショップは多くの客が殺到することで三密に当たる状況になっており、非常に危険な状況になっています」と指摘する。

「ピークタイムは昼なので閉店時間を早める形での時間短縮にはあまり意味を感じません。それどころかより多くの人々が店へと殺到してしまう悪手だと思います」

   女性はこう訴え、「忙しい現状では消毒までは全く手が回りません。このままでは店からクラスター感染が発生しかねないと危機感を感じています」と明かす。

   また、アルバイトをしているという男性は、店に来ている客にも危険が及びかねないと言う。

「お客様にしても家族連れで談笑しながら誰が触ったかわからない商品を手にとっては戻しお子様に至っては床に手足をついたり...見ている方がヒヤヒヤしてしまいます。能天気...は言い過ぎとしても危機感がない方が多いと思います」

   そのうえで、男性は、「自粛中の楽しみを提供するのがレンタルビデオ店の仕事、というのは分かるのですが それを言い訳にしてスタッフやお客様を危険に晒しているような気がしてなりません」と苦悩を漏らした。退職も考えたものの、収入の問題もあるのでなかなか踏み切れないとしている。

「諸事情を勘案し、個店ごとに柔軟に判断」

   こうした店の状況について、ゲオ側はどう考えているのだろうか。

   都などの休業要請があっても営業継続する理由について、ゲオホールディングスの広報課は4月17日、取材にこう答えた。

「営業についてはお客様のご要望、お問い合わせ状況、当社の感染予防対策の実行・準備状況、店舗の特性(面積・通路など)、勤務希望要員の状況などの諸事情を勘案し、店舗休業・営業時間の短縮等営業内容を決定しておりますので、個店ごとに柔軟に判断してまいります」

   ゲオの臨時休業は、同日時点で、都内で1店舗、大阪では0店舗、全国では6店舗だとした。なお、7都府県のほぼ全店で短縮営業をしているという。「感染防止策については可能な限りの策を講じてまいります。緊急事態宣言が全国に拡大されたことによる対応は現在検討中となります」とも説明した。

   店員だとする人から情報が次々に寄せられていることについては、こう話した。

「弊社従業員から御社に不満の声が寄せられてるとのことですが、社内には従業員に不利益の無い外部直通の通報窓口や相談窓口を準備しておりますので、今後そちらに相談がありましたら、真摯に対応してまいります」

   なお、神奈川県綾瀬市内のゲオPATあやせ店では、アルバイトの感染が4月9日に分かったものの、店舗のお知らせで10日に告知し、その2日後に削除されたことに疑問や批判が寄せられている。

   この点については、「本件は店内感染ではなく、感染者の個人の生活環境における感染となっております。保健所からは同店の従業員相互に濃厚接触者はいないという見解を得ており、保健所の指導のもと、消毒をしたうえで営業を再開しております。同じ店舗で働く従業員に濃厚接触者がいないということは、お客様へも感染させてしまっている可能性がないと判断し、ホームページから削除いたしました」と説明している。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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