「子連れのお客様がたくさん来店したり...」 営業続けるリサイクルショップ、従業員の不安

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   古着などを扱うリサイクルショップについて、休業するかをめぐって各運営企業の判断が分かれ、営業を継続する店の店員らから嘆く声が続々上がっている。

   都道府県によっては休業対応する企業もあり、働き続ける店員からは不安が漏れる。

  • 休業への対応が分かれるリサイクルショップ(写真はイメージ)
    休業への対応が分かれるリサイクルショップ(写真はイメージ)
  • 休業への対応が分かれるリサイクルショップ(写真はイメージ)

3都県は全店が当面は「臨時休業」、他県では「短縮営業」

   東京、神奈川、埼玉は、当面の間は全店が臨時休業。対して、千葉、福岡などでは、短縮営業――。大手リサイクルショップの1つ、セカンドストリートを運営するゲオホールディングスは2020年4月10日、新型コロナウイルス感染拡大防止へのこんな対応を公式サイトで発表した。

   3都県での休業は、それぞれの知事からの休業要請や様々な事情を考慮したという。

   しかし、短縮営業に留まった地域では、店員らからツイッター上などで嘆く声が上がっており、J-CASTニュースにも次々に投稿が寄せられている。

   40代のパート店員という福岡県内の女性は、職場の環境に不安を感じ、感染状況が落ち着くまで、休みを取り始めたと取材に明かす。

「子連れのお客様がたくさん来店したり、不用品の持込も多数あり、中にはマスク着用もなしで店内で咳、くしゃみされる方とエチケット無用な方々もチラホラいました」

   マスクを自前で用意しなければならず、レジの仕切りやソーシャルディスタンスの依頼がないことが怖くなったという。自己都合による休みなので、無給だとしている。

   店の休業ではないため休んでも補償はないといい、「セカンドストリートは日常生活に必須の物を販売している店舗ではありません。困難な時に企業の労働者に対しての思いが分かり離職するか悩んでます」と打ち明ける。

買取も「不特定多数の人が触ったかもしれない」

   また、家族がセカンドストリートで働いているという千葉県内の男性は、取材に店の状況をこう明かした。

「まず買取に持ってくる物は出処が不明の不特定多数の人が触ったかもしれない物です。どんな人がどんな衛生環境でいつまで使用していたかわからない物を触らなければいけない危険性があります」

   さらに、千葉では、短縮営業に留まっているため、周辺で休業が増えるとその影響が大きいと話す。

「他のハードオフやトレジャー・ファクトリーが一部店舗の休業を発表しているため、家にいることが増えたことで家を片付けて不要な物が出た方が、セカンドストリートに流れ込んでいます。店舗によっては、騒動前の休日ぐらいの混み具合をみせているそうです。さらには、セカンドストリートも千葉以外の首都圏店舗は休業を発表したため、千葉に近い都内、埼玉など近隣のお客さんが流れ込む可能性があります。上層部の決定によりそれでも店を回さなきゃいけなくなった社員、アルバイトの店舗スタッフの方々が疲弊しているのが現状です」

   4月15日には、札幌市の札幌南21条店のアルバイト従業員が新型コロナウイルスに感染したことが判明している。

   なぜ3都県以外は主に短縮営業になるのかについて、ゲオホールディングスの広報課は17日までに、取材にこう説明した。

「業種(フォーマット)・個店ごとに、諸事情を勘案のうえ、店舗休業・営業時間の短縮等営業内容を決定しております」

   千葉では、休業して補償も一部出す予定だったとの情報も寄せられたが、「そのような事実はございません」とした。しかし、「補償に関しては、労働基準法に沿って、様々なケースを考慮し、社内検討中」だと答えた。

   マスクについては、「入手困難であったため、支給が遅れ、結果として自己判断になってしまう部分がございました」と認め、「レジにお並びいただく際にソーシャルディスタンスを取っていただくお願いやレジへのビニールシートカバーの設置は随時対応店舗を増やしてまいります」としている。

東京都は「休業要請対象」、千葉県や福岡県は「対象外」

   他の大手リサイクルショップでも、地域ごとなどに対応が分かれている。

   トレジャー・ファクトリーは4月10日、セカンドストリートのように埼玉は入れず東京、神奈川で全店が臨時休業すると発表した。それも、期間は11、12日の土日に留まった。2都県以外は、主に短縮営業になっている。

   ハードオフコーポレーションは、都道府県ごとに臨時休業を決めず、店ごとに短縮営業か休業かを告知している。

   なお、緊急事態宣言を出した都道府県も、休業要請の内容に違いが見られる。

   東京都は、休業要請する施設のリストを公式サイトで発表し、リサイクルショップは、「必ずしも生活必需品を売っているわけではない」(防災管理課)として、基本的に要請対象になっている。一方、千葉県は、「商業施設にはそもそも規制をかけていない」(健康福祉政策課)として、リサイクルショップは休業要請の対象外だと取材に答えた。福岡県は、「分類的には生活必需品になる」(新型コロナウイルス感染症対策本部)として、リサイクルショップは要請対象外だとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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