「被害者にとってメディアは決して攻撃するものではない」
変わらない思いもある。「誰にもこのような思いはさせたくない」という気持ちだ。動画では「交通事故の犠牲者をひとりでも減らしたい」という願いのもと、事故を知った時の心境、病院で亡き家族と対面した時の思いなどが生々しく語られている。
松永さんはこれまで一貫してフルネームを公表してこなかったが、今回の動画で初めて名前を明かした。その理由を、
「(1年の)猶予の間に心の準備、戦う準備、交通事故防止への覚悟、たくさんの支援者ができたからだと思っています。特に交通事故防止の活動をしたいという気持ちが強くなったことが一番の要因です」
と語っている。
また、当初はマスメディアが強引な取材をする「メディアスクラム」に対して恐怖心や不安を抱いていたというが、「時を追うごとに、被害者にとってメディアは決して攻撃するものではないということがわかり、自分の思いを世に伝えてくれる支援者にもなりうるということがわかりました」とメディアへの向き合い方にも変化があったと振り返る。