マスク不足で「日本のあらゆる病院が機能不全に」
プロジェクトの背景には、日本の医療機関が直面する深刻な「マスク不足」がある。
プロジェクトを推進する福島県立医科大学の竹口優三さんと、感染症に詳しいナビタスクリニック(東京都など)医師の久住英二さんによる、クラウドファンディングページでの説明によれば、各地で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の院内感染が広がる中、その原因の一つに医療者を守る個人防護具としてのマスクが「深刻なレベルで不足」していることがあるという。
こうした背景には、日本のほぼ全ての病院がマスクを含む医療機器の供給を国内大手卸売専門業者4社に依存していることを挙げる。政府が新型コロナウイルスの感染拡大を受けてマスクを買い上げたことで、大手4社に頼ってきた医療機関はマスクを調達できなくなり、マスク不足を招いたのだという。
一方で、政府が買い付けたマスクやソフトバンクグループが製造するマスクが供給されるのは5月以降を予定。2人は、
「直近の4月のマスク不足を埋めなければ、日本のあらゆる病院が機能不全に陥る可能性があります。まさに時間との戦いです」
と危機感を強める。