コロナでテレビが沈み、芸能人YouTuberがさらに活躍する!?

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   「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)について、2020年4月中(17日以降)の生放送が新型コロナウイルスに対する感染対策のために中止されると、15日にサンケイスポーツが報じた。

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「悲しいけど今は我慢が必要ですよね」

   同番組は生放送の音楽番組として知られ、1986年10月の放送開始以来33年半の歴史を誇る人気番組。このため、ネット上では「Mステも生放送中止 悲しいけど今は我慢が必要ですよね」といった、生放送中止に驚きつつもやむを得ないとする声が続々と上がる事態に。また、サンスポによると、放送内容は「VTRのみの放送で対応する」とされており、また、番組公式サイトでも「春うた30年の名曲ヒストリーを大特集」といったラインナップとなっている。

   昨今のテレビ界はMステに留まらず、新型コロナウイルスの流行によって4月期ドラマの放送開始時期が遅れるなど、感染症の拡大によって多大な悪影響を受けており、状況は極めて深刻。いつになったら通常放送に戻るか、全く見通せない状況だ。このため、芸能人のSNSでは「仕事がキャンセルになった」などとする情報発信も目立ってきており、テレビ界と芸能界双方にとって死活問題となり始めている。

   ただ、そんな中、一部の芸能人は新型コロナウイルスの流行に関係なく、むしろ、今まで以上に順調に仕事をこなすようになっている。その仕事内容は何かと言えば、ズバリ、YouTuberとしての仕事である。

コロナの中でも勢いが止まらない「芸能人YouTuber」たち

   お笑い芸人の江頭2:50さん(54)は4月14日、自身のYouTubeアカウント「エガちゃんねる」の登録者数が200万人を突破。2月1日にアカウントを開設してから約2ヶ月半での快挙となった。江頭さんといえば、以前から人気お笑い芸人として名を馳せていたが、YouTuberデビュー以降は以前にも増してその注目度は上がっており、正に、水を得た魚といった状況だ。

   また、江頭さんの1日前である1月31日にYouTuberデビューした女優の川口春奈さん(25)も、昨今の芸能界では特に勢いがある芸能人のうちの1人。本人が登場する「はーちゃんねる」では、「実家への帰省」「おじや作り」「女子会」「メイク方法」「ヨガ」「激辛グルメ」といったさまざまなジャンルに川口さんが挑戦する様子が公開中であり、再生回数100万回以上を連発する大フィーバーが続いている。

   新型コロナウイルスの流行をものともしない、これら、絶大な人気を誇る芸能人YouTuberたちだが、これらの人々が新型コロナウイルスの流行を予測していたわけではもちろんないわけだが、その情報発信方法を見てみると、YouTuberとしての情報発信の方法が、テレビ番組に比べて感染症の流行に対応しやすい要素があることに気付く。

テレビ番組に比べてはるかに高い、「放送中止への耐性の高さ」

   まず、「出演者が少ない」というのが、YouTube番組の強さとして挙げられるだろう。YouTube番組の特徴として、「アカウントの運営者が自ら番組に出演する」という特徴があるが、その出演人数は多くの場合、アカウントの運営者1人。まれにゲストが招かれる場合もあるが、それでも出演者は計2人となる場合がほとんどであり、その出演者の少なさから、感染が拡大する可能性が低い番組制作方法であると言えるだろう。また、出演者の少なさに引きずられる形で、撮影スタッフも必然的に少なくなるため(場合によっては出演者がそのまま撮影)、これもまた、感染拡大を防ぐのにプラスの要素と言えるだろう。

   さらに、その撮影スタッフの少なさから、「撮影が中止になった場合の損害」がテレビ番組に比べて少ないということも言えるのではないだろうか。例え中止になっても、撮影スタッフが少なければ人件費は抑えられるからだ。

   YouTube番組の長所は他にもある。それは、「定期的に放送しなくて良い」という点だ。ドラマやバラエティー番組は週1回の放送が1クール以上要求されるなど、ひとたび撮影が滞った場合は番組存続の危機に陥るが、YouTube番組の公開は不定期に行われるのが当たり前であり、撮影が滞った場合は「新たな放送回を公開しない」という手段が容易に取れるからだ。それはすなわち、「公開日という締め切りがない」ということでもあり、撮影スタッフが感染症にかかってしまった場合に無理に仕事をしなくて良いということであり、やはり、感染拡大を防ぐことが出来るからだ。

   とどめとして挙げられるのが、「放送中止になった場合に総集編を放送しなくて良い」という点だ。新型コロナウイルスの流行により放送開始時期が延期されたドラマのうち、「ハケンの品格」(日本テレビ系)を例に挙げると、放送を予定していた毎週水曜日のうち、4月15日と22日については2007年に放送された前作の総集編が放送されることが決まり、その後に関しては15日時点では放送開始日が確定していないが、YouTube番組は前述の「新たな放送回を公開しない」という要素に加え、アカウント内にはこれまでの放送回がいつでも閲覧できる状態で公開されているのだ。

   これら、テレビ番組とは比較にならないほど放送中止への耐性が高いYouTube番組。昨今の、芸能人のYouTuberデビューのブームは新型コロナウイルスの流行を予測したものではもちろんないわけだが、奇しくも、その「耐性の高さ」がある以上、新型コロナウイルスの流行が長引いた場合はこれまで以上に芸能人のYouTuberデビューが進み、その反動としてテレビ界の「過疎化」が進むという事態もあり得るのではないだろうか。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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