ジェットコースターのような荒い値動きも 「上場来高値銘柄」の明暗

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「巣ごもり消費」の恩恵

   それが、4月に入ると再び勢いがつく。政府の経済対策で「アビガン増産支援」が盛り込まれ、安倍晋三首相が会見で「アビガン」を連呼するなどして6日には一時、6420円まで上昇し再び上場来高値を更新する場面もあった。ただ、メリルリンチ日本証券が8日付で富士フイルムHDの投資判断を3段階の最上位から最下位に格下げし、目標株価を6000円から5100円に引き下げたことなどで勢いがそがれて急反落。メリルは「アビガンの有効成分を保護する物質特許が切れているので業績への寄与は一過性」と指摘した。期待と失望が交互に現れ、ジェットコースターのような荒い値動きになっている。

   他方、伊藤園は3月31日に上場来高値を更新し、4月7、8日にさらに高値を更新し、一時6060円をつけた。3月2日発表の2019年5月~20年1月期連結決算の純利益はペットボトル飲料の安売りが減ったことなどにより、前年同期比10.2%増の112億円と好調だったことが下地にある。2月の月次売上高も日本茶・健康茶飲料が前年同月比10%増だったことで「巣ごもり消費」の恩恵を受けるとの期待が膨らんだ。

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