新型コロナウイルスの感染拡大で、赤道直下の小国、東ティモールが孤立状態になっている。空路でつながっているシンガポール、インドネシア、オーストラリアの3か国が、トランジット(乗り継ぎ)を含めて外国人の入国を認めなくなった上、東ティモールも自国民を含めて入国を認めなくなったためだ。
2020年4月14日時点で確認された感染者数は6人にとどまっているが、東ティモールの医療体制は脆弱で、新型コロナに対する警戒感は強い。
滞在する日本人はJICAやNGO関係者が多い
東ティモールはポルトガルの植民地支配やインドネシアによる統治を経て02年に独立。「アジアで最も新しい国」として知られる。
農業が主な産業で、人口は約120万人。大半がカトリック教徒だ。「海外在留邦人数調査統計」によると、東ティモールに滞在する日本人は18年10月時点で135人。日本はオーストラリア、アジア開発銀行(ADB)に次いで多額の援助をしていることもあって、国際協力機構(JICA)や非政府組織(NGO)関係者が多い。
首都ディリの日本大使館によると、新型コロナの感染拡大で出国する人も多く、現時点で東ティモールにとどまっているのは約70人。全員と連絡が取れる状態だと説明している。