「県外出たら退学」...奥羽大学「行き過ぎた」メール謝罪 送信教員は「深く反省している」

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   奥羽大学(福島県郡山市)は、所属する教員が一部の学生に向けて、5月6日までに福島県外へ出た場合「退学処分」とする旨のメールを送っていたことについて「行き過ぎた表現」だったとして、2020年4月14日に公式サイト上で謝罪した。

   メールの内容は4月13日頃からツイッター上で拡散され、処分内容の妥当性が議論になっていた。

  • 奥羽大学の公式サイト
    奥羽大学の公式サイト
  • 奥羽大学が「お詫び」を掲載(奥羽大学の公式サイトより)
    奥羽大学が「お詫び」を掲載(奥羽大学の公式サイトより)
  • 奥羽大学の公式サイト
  • 奥羽大学が「お詫び」を掲載(奥羽大学の公式サイトより)

退学処分は「本学の方針ではない」

   奥羽大学への14日の取材によれば、メールは歯学部成長発育歯学講座歯科矯正学分野の教員が4月10日に歯学部の第4学年生に向けて送ったもの。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて学生への対応を呼びかける文章の中で、

「5月6日までは福島県外へ出ないようにしてください。緊急事態宣言実施地区以外でも遵守してください。発覚した場合は退学処分となります」

と記していた。

   ツイッター上では13日頃からこのメールが拡散され、「厳しすぎ」「(感染対策として)仕方ないよなあ」などの意見があがっていた。

   メールの拡散を受け、大学は14日に公式サイトを通じて「学生への配信メールに関する訂正とお詫び」を掲載した。大学が新型コロナ措置法に基づく緊急事態宣言地域への往来を自粛するよう強く要請する中で「本学教員から学生に発したメールの一部に、退学処分という行き過ぎた表現があった」ことを明らかにした上で、以下のようにコメントした。

「この退学処分という表現は、本学の方針ではなく、訂正いたしますとともに、関係する皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしましたことを深くお詫びいたします。今後、このような不祥事がないように取り組んで参ります」

当該教員は「深く反省」

   J-CASTニュースの取材に答えた奥羽大学の広報担当者によれば、大学には東京や神奈川、大阪といった緊急事態宣言発令中の地域から進学してきた学生も在籍。大学では4月から講義が始まったが、そうした地域からの進学者には実家への帰省を自粛するよう要請していたという。

   メールを送信した当該教員は、学生に対する自粛を要請する中で「本学からは絶対に感染者を出さない」という意識が「行き過ぎた表現を招いてしまった」として、歯学部長、大学部長に対し謝罪。本人は「深く反省している」という。

   広報担当者は、

「退学は大学の方針でも全くございませんし、学部の指示で出ているわけでもございません。退学は様々な手続きを踏んで決定するものであり、(当該教員に)その権限もございません」

とコメント。県外から通学する学生に対する配慮も「欠けていた」とし、退学処分は「全くあり得ない」と結論づけた。

   なお、大学の新型コロナウイルス対策については「(新型コロナウイルスが)疑わしい症状を感じる学生には、大学に来ず、重篤な場合は保健所、国の指示に従って行動してほしいと伝えている。また検温、マスクの着用、手洗い、換気、3密への注意など、学生に対し高い意識で行動してもらうよう呼びかけている」とのことだった。

姉妹サイト