安倍晋三首相が俳優の星野源さん(39)の「うちで踊ろう」動画にあわせて外出自粛を呼びかける動画に批判が集中している。
多くの国民が不十分な給付措置の中で休業を強いられている中、安倍氏が膝の上に犬を乗せ、くつろいだ様子で外出自粛を呼びかけたことが原因だ。この問題は2020年4月13日午前に行われた菅義偉官房長官の記者会見でも取り上げられたが、「いろんな見方があると思うが、そういう意味で過去最高の35万を超える『いいね!』をいただくなど、大きな反響をいただいた」として、今回の書き込みが問題だとの見方は示さなかった。
野党幹部も「ご自身が自宅でくつろいでいる様子で」「犬がかわいそう」
安倍氏のツイートは4月12日午前に発信され、動画とともに
「友達と会えない。飲み会もできない。ただ、皆さんのこうした行動によって、多くの命が確実に救われています。そして、今この瞬間も、過酷を極める現場で奮闘して下さっている、医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります。お一人お一人のご協力に、心より感謝申し上げます」
というメッセージが添えられた。
返信欄には
「この非常事態に総理大臣が家で暇してます。としかとれません」
「国民の声届いていますか?」
といった批判の声が相次いだのに続いて、野党議員も
「ご自身が自宅でくつろいでいる様子で、国民も自宅待機をして欲しいと言うのでしょうか」(立憲民主党・蓮舫副代表)
「犬がかわいそう」(共産党・小池晃書記局長)
などと非難した。
菅氏は動画の狙いについて、政府が国民に対して、人と接触する機会を「最低7割、極力8割」減少させることを求めていることを念頭に、
「星野源さんがSNS上において、『うちで踊ろう』という歌を公開しておられることに総理が共感し、今般の発信を行ったものだ。最近20代を中心に若者の感染者が増加していることから、若者に外出を控えてもらいたい旨を訴えるにあたり、SNSでの発信は極めて有効であると考えている。ツイッターでは、確認できる範囲では、過去最高の35万を超える『いいね!』をいただくなど大きな反響をいただいており、多くの皆さんにメッセージが伝わる、このことを期待している」
などと説明。
「いろんな見方があると思うが」...
「こうした動画の公開は適切だったと考えるか」
「結果として反感を招いた点もあるということについてはどう考えるか」
といった質問に対しては、若者への訴求にSNSが有効だという点を強調するにとどまり、問題のツイートに対する評価は避けた。
「最近20代を中心に若者の感染が非常に多くなっていきている。そうした対応として、若者に外出を控えてもらいたい旨を訴えるためにSNSの発信はきわめて有効であると考えている」
「いろんな見方があると思うが、そういう意味で過去最高の35万を超えるいいね!をいただくなど、大きな反響をいただいて、若者の皆さんにもなかなか手が届かないところなので、こうしたSNSを通じて考えたい」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)
友達と会えない。飲み会もできない。
— 安倍晋三 (@AbeShinzo) April 12, 2020
ただ、皆さんのこうした行動によって、多くの命が確実に救われています。そして、今この瞬間も、過酷を極める現場で奮闘して下さっている、医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります。お一人お一人のご協力に、心より感謝申し上げます。 pic.twitter.com/VEq1P7EvnL