迅速化するけど「判定精度100%」ではありません 島津製作所・新型コロナキットで誤解広まる

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   島津製作所が2020年4月20日から販売する新型コロナウイルスの検出試薬キットをめぐり、一部で誤解が起きている。

   同社は「陽性一致率、陰性一致率はいずれも100%」とうたっている。だが、100%なのはPCR検査との一致率であって、判定精度が100%というわけではない。

  • 新型コロナウイルス検出試薬キット
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「陽陰性の判別が100%って凄い!」

   研究用に開発されたこのキットは、PCR検査に使うことで省力化・迅速化が期待できる。

   同社の発表によれば、検査人員の削減や、2時間以上かかっていた検査を約1時間に短縮できるという。

   同社の公式ツイッターは10日、「国立感染症研究所(感染研)が定めた評価方法で性能を検証しており、保険適用の対象となっています。陽性一致率・陰性一致率はいずれも100%です」と宣伝した。

   この投稿を見たユーザーからは「陽陰性の判別が100%って凄い!」「陰性、陽性の率が100% すごい...」と判定精度の高さを評価する声が相次いだ。

島津製作所「的中率ではありません」

   しかし、偽陽性、偽陰性がなくなるわけではない。ここでの一致率とは、従来のPCR検査での判定と齟齬(そご)がない確率を指す。

   こういった誤解のツイートや、その誤解について補足の説明をする医療関係者のツイートも相次いだためか、島津製作所は元々のツイートの約8時間後に「従来のPCR検査(感染研法)と同等の結果(陽性または陰性)が得られたということです。病気の陽性、陰性を判定する『陽性的中率・陰性的中率』ではありません」ともツイートし、注意を促している。ただし、元々のツイートは約6万9000回リツイート(拡散)されたのに対し、「続報」ツイートのリツイートは約4700回にとどまっている。

   感染研の発表によれば、臨床サンプル(陽性10検体、陰性15検体)を使い、一致率が100%だったメーカーは、島津製作所以外に、ライフテクノロジーズジャパン、医学生物学研究所など4社だった(4月9日時点)。

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