「この子たちのために何が出来るのかと...」
三島氏は「一番怖いのは、プロレスを見る習慣のあったお客様が、見ないことに慣れてしまうこと。長期的にみると非常に怖い。試合を見ないことが数カ月続くとなると本当に怖いです。我々の手で何とか発信したいと思っています。ファンの皆様、忘れないで下さいと。発信し続けたいです」と訴える。
インタビューの最中、階下から選手がマットに叩きつけられる音、選手の気合の入った悲鳴にも似た声が聞こえてきた。新型コロナウイルスの感染拡大により先が見えないなか、選手は来るべき日に備えて日々、体を鍛えている。
「事務作業をしながら一生懸命に声を出して練習をしている選手の音だけが聞こえてくるんです。この子たちのために何が出来るのかと、いつも考えています。プロレス団体にはそれぞれスペシャリストがいますが、流れの違うところから入ったがゆえに持っている経験値と人脈があると思います。この年になったら自分の経験と知識と自信を持って仕事がしたいです」(三島氏)
メディア戦略を担う54歳の新人は、試合のポスターを抱えて営業の日々が続く。