新型コロナウイルスの流行がテレビ界に暗い影を落としている。ドラマの収録が思うようにいかず、4月期ドラマの放送開始の遅れが相次いでいるからだ。
楽しみにしていたドラマの放送開始が遅延するとあって、ネット上にはそれを残念がる声が続々と上がっているが、その中で、「ハケンの品格」(日本テレビ系)については、他のドラマとは違った反応も散見される。
15日予定の第1話は延期
2020年4月15日に放送開始が予定されていたが、公式サイトでは、現時点では「近日公開」との表記に改められている。また、10日には、放送が予定されていた15日と22日については、2007年に放送された前作の総集編が放送されることが報じられた。
ネット上を見渡してみると、ツイッター上を中心に目立つのが「私はハケンの品格楽しみにしてたんだけど、コロナで今 派遣切りに遭ってる方多いですからね...」と、テーマである「派遣労働」が放送のタイミングとしては最悪なのではないかとする声だ。同様のツイートは他にも多数あり、
「派遣社員の友人がコロナの影響で週2勤務(給料保証なし)にさせられたあげく契約更新できないかもと言われたらしい。これ聞いちゃうと『自由な働き方』とか『ハケンの品格』とかカッコいいこと言ったりドラマ再収録する割に、根本的には使い捨ての都合の良い駒って位置付けから変わってないんだなぁ」
と、知人の窮状に思いを致しつつ、派遣労働の不安定さを憂えている。
新型コロナウイルスの流行以降、これを原因とする派遣切りが行われているとの報道もなされるようになり、4月に入ると、長崎県のテーマパーク「ハウステンボス」が、3月中旬に派遣従業員の契約を解除していたと各メディアが報じるなど、「派遣切り」のインパクトが徐々に日本社会を揺るがし始めている。
それでも根強い、放送を希望する声
雇用が不安定になってしまえば「品格」どころではないわけで、これらの声の他にも、「新型コロナ影響で派遣労働者の派遣切りとか雇い止めが相次いで首括る人までいるかもしれないのに、日テレはハケンの品格とか」と、タイミングをあげつらう声も上がっている。
ただ、それでも、「ハケンの品格も15日だったよね、早よ見たいね くそー、コロナめ...!!!なにもかもコロナのせい」と、遅延してでもドラマの放送を望む声は根強い。また、
「ハケンの品格がもどってくる。10年経ってどう描かれるのだろう。働き方改革 ハラスメント防止 新型コロナウイルス発生 などなど。。残念ながら放送延期。待ち遠しい」
と、前作がどのように進化するか、そして、新型コロナウイルスの流行さえも飲みこんで今作が描かれるのではないかと期待する声もあるほどだ。これらの声を見る限り、やはり、ドラマの放送を期待している視聴者は相当な数に上りそうだ。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)