eスポーツ、新型コロナ禍の中で高まる存在感 NBA、NPBなど「代替」開催も

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   新型コロナウイルスの惨禍が世界中に及ぶ中、eスポーツイベントも続々と中止、延期が発表されている。

  • 「プロ野球バーチャル開幕戦2020」公式サイト。トップにはNPBからのコメントが
    「プロ野球バーチャル開幕戦2020」公式サイト。トップにはNPBからのコメントが
  • 「プロ野球バーチャル開幕戦2020」公式サイト。トップにはNPBからのコメントが

大型大会の中止なども相次ぐが...

   代表的な格闘ゲームタイトル「ストリートファイターV」だけでも、世界ツアー戦、「Capcom Pro Tour」は既に前半戦の中止が決定し、世界大会「INTEL World Open in TOKYO 2020」も3月開始予定だったオンライン予選会が5月に延期、国内大会「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2020」はチーム編成ドラフト会議が中止となるなど、すでに大きな影響が及んでいる。

   他のタイトルもオフラインイベントについては軒並み中止、延期、無観客試合とほぼ全滅と言って差し支えない状況となっているが、オンラインでのプレイが可能というeスポーツの特性を生かし、形式を移行して開催される大会も増えてきている。まだまだ予断を許さない状況ではあるが、外出もままならない状況で大会出場への希望を持ち続けることができるのは、選手のモチベーションを保ち、観客に楽しみを提供できる点で極めて重要な要素となっている。

   また、世界中で開催が危ぶまれているフィジカルスポーツの世界で、eスポーツへの取り組みが行われているのも興味深いところだ。リーグ戦が中断しているNBA=アメリカのプロバスケットボールでは、現役の選手たちがチャリティー活動の一環としてNBAのゲームでの大会を開催、ウィザーズの八村塁選手も参戦して初戦を突破している。

「プロ野球バーチャル開幕戦2020」をNPB・KONAMI共催

   開幕が危ぶまれる日本のプロ野球でも、NPBとKONAMIが共同で、「実況パワフルプロ野球」を使用した「プロ野球バーチャル開幕戦2020」を開催する取り組みが行われている。

   一方、トヨタ自動車がゲームの自動車レースに使用できるeスポーツ拠点「eモータースポーツスタジオ」を開設すると発表するなど、人が集まらない形でイベントを開催できるeスポーツへの取り組みを加速させている企業も出始めている。

   在宅勤務や外出自粛が行われる中、室内での運動が可能な「リングフィットアドベンチャー」を擁する任天堂のゲームハード「Nintendo Switch」が爆発的な売れ行きを見せ店頭から姿を消し、抽選販売の倍率が300倍を超すなど、改めてゲームに注目が集まっている。

   コロナの影響により世界を暗い影が覆いつつあるが、このようなときこそ多くの人に日常の楽しみと活力を与えてくれるゲームが持つ力に期待したい。

(eスポーツライター 早川清一朗)

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