LINE Pay急ぐクレカシフト 背景にある「状況の変化」とは?

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   決済サービス「LINE Pay」が2020年5月から、新たな会員制度「LINEポイントクラブ」を始める。

   5月からは、独自クレジットカードの発行も始まる予定だ。一連の変更により、どのような影響が出るのか。

  • LINE Payが変わる
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支払金額ではなく「ポイント獲得数」に

   これまでの会員制度「マイカラー」は、支払金額によって、ホワイト(〜1万円)、レッド(〜4万9999円)、ブルー(〜9万9999円)、グリーン(10万円〜)の4つに分類。特典はカラーに応じた0.5%〜2%のポイント付与だった。

   それに変わる形で登場するLINEポイントクラブは、支払金額ではなく、過去6か月間に獲得した「LINEポイント」をもとに、レギュラー(〜100P)、シルバー(〜499P)、ゴールド(〜4999P)、プラチナ(5000P〜)4つのランクに分けられる。特典はランクに応じて、「チャージ&ペイ」の還元率が変動(1〜3%)するほか、「特典クーポン」(1〜10枚)が付与される。

   特典クーポンの詳細は不明だが、50社以上の加盟店で使える「定額・定率」のものだとしている。もうひとつの「チャージ&ペイ」は、新たに発行開始となる「Visa LINE Payクレジットカード」でコード決済する機能。これまでは銀行口座や現金からのチャージが必要だったが、クレカ決済で後払いできるようになる。

   新カードは4月下旬から、申込受付を始める予定だ。年会費は初年度無料(2年目以降、年1回以上の利用がなければ税別1250円)で、21年4月末までのLINEポイント3%還元を特徴としている。

   今回の改定は、これまでの現金チャージから、クレカによるそれへ、大きな方向転換を意味している。しかし移行期間を設けず、発行開始とともにクレカへと軸足を移すのは、従来のユーザーにとっては唐突な印象を与えかねない。ではなぜ急ぐのか。ひとつ考えられるのが、キャッシュレス決済をめぐる状況の変化だ。

背景には市場変化の加速が

   これまでLINE Payは、PayPay(Yahoo!JAPANカード)や楽天Pay(楽天カード)のような系列クレカを持っていなかった。そこで20年1月の発行開始を目指し、19年6月からオリコ(オリエントコーポレーション)をパートナーに協議を進めていたが、20年1月末に業務提携解消を発表。3月に改めて、三井住友カードと組むと発表した。

   オリコとの提携解消理由として上げていたのが、「昨今の市場環境の急速な変化」だ。発表直前の1月23日には、メルカリ(メルペイ)によるOrigamiの事実上の吸収合併が発表されている。また昨年11月にさかのぼると、LINEがZホールディングス(PayPayと同じソフトバンク系列)との経営統合を発表。両ブランドの今後は未発表ながら、みずからも市場変化を加速させるきっかけとなっている。

   消費増税にあわせた、政府主導のキャッシュレス還元事業は、6月で終了予定だ。その後、9月から21年3月末には、「マイナポイント」による還元事業が行われる予定で、その登録事業者にはLINE Payも名を連ねている。もっとも新型コロナウイルスの感染拡大による景気の落ち込みで、キャッシュレス推進政策にも影響は出てくるはずだ。その前にクレカ発行と、それに合わせた会員制度を導入する「宿題」を終えることで、来たるべき変化に、より柔軟に対応できるようになるだろう。

(J-CASTニュース編集部 城戸譲)

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