背景には市場変化の加速が
これまでLINE Payは、PayPay(Yahoo!JAPANカード)や楽天Pay(楽天カード)のような系列クレカを持っていなかった。そこで20年1月の発行開始を目指し、19年6月からオリコ(オリエントコーポレーション)をパートナーに協議を進めていたが、20年1月末に業務提携解消を発表。3月に改めて、三井住友カードと組むと発表した。
オリコとの提携解消理由として上げていたのが、「昨今の市場環境の急速な変化」だ。発表直前の1月23日には、メルカリ(メルペイ)によるOrigamiの事実上の吸収合併が発表されている。また昨年11月にさかのぼると、LINEがZホールディングス(PayPayと同じソフトバンク系列)との経営統合を発表。両ブランドの今後は未発表ながら、みずからも市場変化を加速させるきっかけとなっている。
消費増税にあわせた、政府主導のキャッシュレス還元事業は、6月で終了予定だ。その後、9月から21年3月末には、「マイナポイント」による還元事業が行われる予定で、その登録事業者にはLINE Payも名を連ねている。もっとも新型コロナウイルスの感染拡大による景気の落ち込みで、キャッシュレス推進政策にも影響は出てくるはずだ。その前にクレカ発行と、それに合わせた会員制度を導入する「宿題」を終えることで、来たるべき変化に、より柔軟に対応できるようになるだろう。
(J-CASTニュース編集部 城戸譲)