高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
「テレワーク出演」実践して気付いた課題と可能性

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   筆者は、8日朝(2020年4月)のニッポン放送の出演を「Skype」で行った。前々から、筆者からラジオ局に提案していたものだが、今回のコロナショックによる緊急事態宣言によって、ようやく実現した。

  • ラジオでもリモート出演
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パーソナリティーとSkype通話

   緊急事態宣言は、改正された新型インフルエンザ等対策特別措置法によるものであるが、そもそも民主党政権時代に作られた法律であるので、「私権制限」などは基本的にはない。基本的には政府が宣言しても、各知事は「自粛」をいうだけであり、現状には大きな変化はない。その意味で、諸外国の「非常事態宣言」は似て非なるものだ。なので、筆者は3月中旬から「緊急事態宣言」を行うべきと主張してきた。

   ただし、実際に政府が「緊急事態宣言」を行うと、テレビ・ラジオ局は放送方法を変更した。地上波テレビでも、MCが在宅で放送するものもでている。ニッポン放送の筆者が出ている番組でも、ついに筆者は在宅で出演した。

   実際に行ってみると、今の世の中の仕組みのいくつかは新しい時代にそぐわないかが実感できる。というのは、事前にいろいろとテストをしてみると、従来の仕組みでは当然の話が「Skype」での在宅出演では支障になった。実は、スタジオは音源と隔離されており、筆者のSkypeと結ぶPCをスタジオ内に持ち込みにくい。技術的には対応できるかもしれないが、あまり冒険的なこともできないので、スタジオ外にPCを置き、そのカメラで、パーソナリティの飯田浩司さんとアシスタントの新行市佳さんを見る格好となった。

   ラジオなら、画像は不要と思う人がいるかもしれないが、筆者は細かい番組スケジュールをわからない。実は終わり時間がくると、飯田さんが手を頭の上にしておおきな丸を描き、それが時間終わりのポーズになって、筆者にわかる仕組みだ。なので、筆者にとっては、終わりポーズを示す飯田さんの画像が必要なのだ。

   前日のテストはうまく行った。しかし、8日朝の本番では、こちらの音声と画像はスタジオに届いており、スタジオの音声はこちらに届いていたが、画像が届かなかった。はじめの10分くらいは画像なしで、終わり時間がわからず、ちょっと苦労した。

   なんとか、いろいろな方法で画像が届いていないことを連絡し、その後復旧したので、後は楽だった。

この動きを遠隔診療・教育にも

   番組では、このコロナショックで、オンライン診療に関する規制緩和も進んでいるという紹介もした。もっとも、もっと早く規制緩和しておけば、よかったのにと思う。

   このような事態になって泥縄的にやるのもいいが、やり慣れていないので、いろいろとトラブルもでるし、そもそもできない人が多すぎるので、いざというときに役に立たない。日常的にSkypeやその他のソフトを使っている人にとっては簡単なことでも、初めてではいろいろと大変らしい。おかげで、筆者のところには、いろいろな遠隔出演の相談が来る。実際に使うのが手っ取り早いので、一台の携帯電話で操作方法を話しつつ、別の携帯電話でテレビ会議のやり方を指南することもある。

   マスコミ関係者の中でも、対面重視ということで、遠隔出演に二の足を踏んでいた人も、意外と使えることがわかっただろう。遠隔診療、遠隔教育などとこの動きを広げたらいい。コロナ騒ぎで世の中真っ暗であるが、これは不幸中の幸いだ。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「韓国、ウソの代償」(扶桑社)、「ファクトに基づき、普遍を見出す 世界の正しい捉え方」(KADOKAWA)など。


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