無観客開催も選手の長距離移動が大きな課題に
新型コロナウイルスの感染拡大が公式戦開幕を遅らせている最大の要因となるが、現役選手から感染者が出たことも大きい。4月7日の時点でウイルスに感染した阪神の3選手のうち、伊藤隼太外野手(30)と藤浪晋太郎投手(25)が退院した。だが、シーズン中に選手から感染者が出た場合の対応など検討すべき課題が残される。
たとえ無観客で開催したとしても、全ての課題がクリアになるわけではない。シーズン中、選手は長い距離の移動を余儀なくされる。ウイルスの感染が完全に収まるまで長い距離の移動は、危険ともいえる行為で、選手の安全管理上、避けなければならない。そうなると、今後ウイルスの感染状況が好転の兆しを見せても、公式戦開幕はより慎重に検討を重ねる必要があるだろう。
公式戦開幕が6月以降にずれ込めば、レギュラーシーズンの143試合を消化するのは厳しい。現実問題、日程的に試合数の削減は不可避とみられ、交流戦、クライマックスシリーズ(CS)の中止の可能性も出てきた。2020年東京五輪が延期となったことで、スケジュールが空いた7月から8月に試合を振り分ける方向だが、それでも間に合わないほど事態は切迫している。