飼い主「コロナ感染時」のペットケアどうすれば? 都獣医師会サイトに解説文

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   新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大が続く中、公益社団法人東京都獣医師会は、ペットの飼い主が感染した場合の対応方法をまとめ、ウェブサイトに資料を掲載した。感染者が家族などにペットを預ける際の手順、預かった人がペットをシャンプーする際の注意点など、ペットのケアを具体的に記載している。

   同会の中川清志・業務執行理事は取材に対し、感染した飼い主は他人やペットとの濃厚接触を避け、預かる人も感染に気を付けるよう注意を促したうえで、「対象のペットを必要以上に過酷な管理環境に置くなど、動物の福祉を守られないような管理にならないよう気をつけなくてはならないと思います」と話している。

  • 東京都獣医師会「新型コロナウイルスに感染した人が飼っているペットを預かるために知っておきたいこと(Ver.1)」より
    東京都獣医師会「新型コロナウイルスに感染した人が飼っているペットを預かるために知っておきたいこと(Ver.1)」より
  • 東京都獣医師会「新型コロナウイルスに感染した人が飼っているペットを預かるために知っておきたいこと(Ver.1)」より
    東京都獣医師会「新型コロナウイルスに感染した人が飼っているペットを預かるために知っておきたいこと(Ver.1)」より
  • 東京都獣医師会「新型コロナウイルスに感染した人が飼っているペットを預かるために知っておきたいこと(Ver.1)」より
    東京都獣医師会「新型コロナウイルスに感染した人が飼っているペットを預かるために知っておきたいこと(Ver.1)」より
  • 東京都獣医師会「新型コロナウイルスに感染した人が飼っているペットを預かるために知っておきたいこと(Ver.1)」より
  • 東京都獣医師会「新型コロナウイルスに感染した人が飼っているペットを預かるために知っておきたいこと(Ver.1)」より
  • 東京都獣医師会「新型コロナウイルスに感染した人が飼っているペットを預かるために知っておきたいこと(Ver.1)」より

「感染した飼い主と濃厚接触していない方」にペットを預けることを推奨

   2020年4月6日に掲載された都獣医師会の資料「新型コロナウイルスに感染した人が飼っているペットを預かるために知っておきたいこと(Ver.1)」は5日時点の情報にもとづいて作成されており、新たな情報によっては内容が更新される可能性があるとしている。

   資料によると、新型コロナウイルスの動物への感染はこれまで、香港で犬2例、ベルギーと香港で猫2例が報告されている。専門家の間では、犬猫を含む動物から人へ感染するとは考えられていないという。

   一方、飼い主が感染した場合の動物のケアについて、同会は「新型コロナウイルス感染症にかかっている人はペットの世話を家族に依頼するなどペットとの接触を避けるべきです。しかし、他に依頼することができない場合には、マスクやグローブを装着して世話をして下さい」と、まず大枠を説明。感染者の住環境には「大量のウイルスが存在」しており、同居するペットの体表にも大量のウイルスが付着していたり、感染して体内にウイルスが入っている可能性があったりするとした。

   ただ、AVMA(米国獣医師会)によれば「飼い主のくしゃみや咳で飛び散った唾液などが、ペットの被毛に付着したとしても、唾液などの水分が被毛に吸収され、ウイルスも毛の中に閉じ込められるため、感染しにくくなる」という。

   その上で、飼い主が感染した場合のペットのケア方法を解説。まず、「感染した飼い主と濃厚接触していない方に協力をお願いしてペットを届けていただくことを推奨します」と、ペットホテルや他人の家に預ける場合について説明している。

ペットを預かったら「シャンプー」

   感染した飼い主側が預け先に連れていく場合は、下記の注意が必要だ。

・飼い主やその方と濃厚に接触している方は遠慮してもらってください
・預かるスタッフはグローブやマスク、エプロン、メガネなどを装着して下さい
・キャリーボックスに入れて連れてきてもらって下さい
・できれば、預かる側で用意しておいたキャリーボックスに入れ替えて下さい
・無理なら、預かったキャリーボックスを次亜塩素酸ナトリウム (0.05%)などで消毒して下さい。
(次亜塩素酸ナトリウムは、ハイターなど家庭にもある塩素系漂白剤。強いアルカリ性のため体に使ったり、酸と混ぜたりしてはいけない。以下同)

   逆に、預かる側が感染した飼い主宅に行く場合の注意は、下記のとおり。

・飼い主宅はウイルスで汚染していることに注意しましょう
・入室の前にグローブやマスク、メガネ、ガウンなどの防御衣類をつけましょう(廃棄のための容器も用意)
・できれば 2 名で赴き、入室する人の防御衣類着脱など、汚染防止に協力してください(汚染環境に入らない人を確保すること)
・預かる側で用意したキャリーボックスにペットを移して下さい
・できない場合はキャリーボックスの外側を次亜塩素酸ナトリウム液(0.05%)などで消毒して下さい

   このようにして感染した飼い主からペットを預かった人は、次に「シャンプー」をするようにと説明している。界面活性剤でウイルスが死滅するためだという。シャンプーの際の注意点は以下のとおり。

・マスク、グローブ、エプロン、メガネを装着して行って下さい
・可能なら屋外がのぞましいです
・屋内の場合には、後で消毒しやすい環境を作っておいて下さい(余計なものを片付けておく、ビニールシートで被覆するなど)
・まず毛をお湯でよく流しましょう。シャンプー剤を使う前に体を振らせないよう注意して下さい
・よくすすいだ後ドライヤーで乾かして下さい
・工程が全て終了したら防護に使ったものを外して下さい。洗濯をすれば再利用可能です

「ケアする人はウイルスに感染しないように気を付けることが一番」

   シャンプー後も、ペットはウイルスを保有している可能性があるため、衛生状態の保持が必要。「14日間は隔離が望ましいでしょう」とし、隔離場所は次亜塩素酸ナトリウム液(0.05%)などで消毒する。なお猫の場合、シャンプー前に爪を切り、エリザベスカラー(首につける円錐台状の保護具)を装着するよう勧めている。

   都獣医師会業務執行理事で中川動物病院院長の中川清志氏は8日、J-CASTニュースの取材に、飼い主感染時のペットのケアについて心がけるべき点をこう述べる。

「飼い主は他の人やペットに濃厚接触しないように注意してください。ケアする人はウイルスに感染しないように気を付けることが一番です。しかし、対象のペットを必要以上に過酷な管理環境に置くなど、動物の福祉を守られないような管理にならないよう気をつけなくてはならないと思います」

   同会では3月28日まで、更新を重ねながら「飼い主さんに向けて(新型コロナウイルスQ&A)」を公表し、情報提供してきた。これと今回の資料「」との違いについて、中川氏は「『知っておきたいこと(Ver.1)』はペットの取り扱い方に特化して作成したもので、『飼い主さんに向けて(新型コロナウイルスQ&A)』はペットとCOVID-19の関係について総じて説明したものです」としている。

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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