ボクシングの元3団体統一王者マイク・タイソン氏(53)の動物にまつわる過去の「しくじり」が話題を呼んでいる。
タイソン氏は1980年代後半から90年代にかけて圧倒的な強さで世界中のボクシングファンを魅了。そのタイソン氏の王者時代に起こした動物にまつわる数々のエピソードが、時を超えて明かされている。
「俺は襲われて死んでいたかもしれない」
タイソン氏は1986年11月、WBC世界ヘビー級王者トレバー・バービック(カナダ)に挑戦し、2回TKO勝利で王座を獲得。20歳5カ月でのヘビー級王座獲得は、史上最年少記録だった。その後、WBA、IBFの王座を統一し、「人類最強」の称号を得るとともに巨万の富を手にした。
その一方でリング内外でのトラブルが多く、「お騒がせ王者」としても有名である。リングの外では暴行容疑、器物破損容疑などで逮捕され、自殺未遂騒動が報じられたこともあった。リング上では、1997年6月に行われたWBA世界ヘビー級タイトル戦で試合中に王者イベンダー・ホリフィールド(米国)の耳に噛みつき、1年間のライセンス停止処分を受けた。
トラブルメーカーとして知られるタイソン氏は、動物愛好家の一面を持つ。幼いころに鳩を飼育していたことは有名な話だ。ただ、世界王者となり巨額のファイトマネーを手にしたタイソン氏は、飼育するペットのスケールが大きくアップ。動物好きが高じて、ラスベガスの自宅で2匹のベンガル虎を飼育していた。
タイソン氏は2020年3月29日、米国のラッパー、ファット・ジョー氏とのインスタグラムライブ配信で「俺はバカだった」と当時を振り返った。その理由として「俺は2匹の猫(虎)を飼う方法を全く知らなかった。(2匹の虎と)ラフに遊んでいる時にパンチを当てたら、俺は襲われて死んでいたかもしれない」と説明した。
ゴリラとの対戦オファー、1万ドル提示
さらにタイソン氏は「俺は間違ったことをしていた。奴らをペットとして飼育できると信じていた。でも、自分の家で飼うべきではなかった。俺は間違っていたんだ」と、過去のしくじりを悔いた。
また、英紙「インデペンデント」(WEB版)は2020年4月7日、タイソン氏が過去にシルバーバックゴリラと戦うために飼育係に1万ドルを提示したことを報じている。
記事によると、タイソン氏は当時の妻とニューヨークの動物園を貸し切った際に、シルバーバックゴリラと戦いたいと飼育係に申し入れ1万ドルを提示。だが、幸いにも飼育係がこれを拒否したため、タイソンVSゴリラは実現しなかったという。
一時期、プライベートが荒れていたタイソン氏だが、現在は落ち着きを取り戻したようで、動画配信のトーク番組が人気を博している。プロボクサーとして300億円以上ものファイトマネーを稼ぎ出したといわれるタイソン氏。リング外でのエピソードもまさに「破格」の王者級である。