「『死因はあなたの旅行です』と感じてほしくない」
4月4日、石垣島と竹富島を結ぶフェリー会社「八重山観光フェリー」のツイッター担当者がPOPの写真をツイッターに投稿した。「竹富島からのお願いです」という一文を添えたツイートには、4月7日16時までに1万リツイートを超える反響が寄せられている。
POPには、観光客にマスク着用を呼びかける理由が2つ書かれている。
一つ目は「竹富島はオジーオバー(おじいさん、おばあさん)が非常に多いです」。市瀬さんによれば、竹富島の自治組織「竹富公民館」の館員282人のうち、70歳以上の「敬老員」が103人を占めるという。もう一つは「竹富島は小さな診療所が1つだけしかありません」。医師1人、看護師1人、事務1人の小規模体制の診療所は、市瀬さんいわく「もちろん入院できるようなものではない」という。
住民の高齢化と、充実しているとは言えない島の医療を背景に、
「医師が一人感染したら、島の医療は崩壊してしまう。竹富が好きで、時間とお金をかけて来てくれる人たちに、オジー、オバーが(新型コロナで)亡くなったとき『死因はあなたの旅行です』と感じてほしくないんです」
と、市瀬さんは語気を強める。
石垣市は4月6日、緊急事態宣言下での来島を自粛するよう強く求めた。地元紙・琉球新報の同日の報道によれば、この「来島自粛」は竹富町、与那国町を含む「八重山3市町の総意」だといい、市瀬さんも竹富島への来島を「自粛してもらうのが一番いい」と語る。
「お客さんに気持ちよく来てもらいたいんですよね。また来てもらった時に、マスクをつけずに笑って『いらっしゃいませ』『お帰りなさい』と言いたい。そのためにも今はお互いに自粛、我慢をする。そうしてコロナが落ち着くのを待つのがベストなのかなと思っています」
(J-CASTニュース編集部 佐藤庄之介)