マスク、開店直後は販売しません ドラッグストアで相次ぐ導入...早朝の「行列」問題化で

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   新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響で全国的なマスクの品薄が続く中、ドラッグストアチェーンで開店直後にはマスクを売らないよう、販売方法を変更する動きが相次いでいる。開店前の行列が近隣の迷惑になったり、仕事で朝は並べない客から要望があったりしたことを背景に変更を決めたケースが複数ある。

   サッポロドラッグストアーは2020年4月7日、ツイッターで「明日8日より原則全店でマスク・消毒液などの『開店時』の販売を中止させていただきます」と告知。ツルハドラッグの一部店舗や、杏林堂薬局の全店舗でも同様の販売方法を導入している。混乱防止の点でも、こうした対応はインターネット上でも「いいやり方」だと共感を集めている。

  • 杏林堂薬局の店頭に出された掲示(写真提供:ふ_ぉ_ん さん)
    杏林堂薬局の店頭に出された掲示(写真提供:ふ_ぉ_ん さん)
  • 杏林堂薬局の店頭に出された掲示(写真提供:ふ_ぉ_ん さん)
    杏林堂薬局の店頭に出された掲示(写真提供:ふ_ぉ_ん さん)
  • 東京都内のツルハドラッグ店頭に出された掲示
    東京都内のツルハドラッグ店頭に出された掲示
  • 杏林堂薬局の店頭に出された掲示(写真提供:ふ_ぉ_ん さん)
  • 杏林堂薬局の店頭に出された掲示(写真提供:ふ_ぉ_ん さん)
  • 東京都内のツルハドラッグ店頭に出された掲示

店舗によっては「100人単位で行列が...」

   北海道を中心に展開するサッポロドラッグストアー(サツドラ)は7日、ツイッターに「マスクなどの商品供給が追いついていなく、お客さまには大変ご迷惑をおかけしております。少しでも多くのお客さまに購入の機会を設けることを目的に、サツドラでは明日8日より原則全店でマスク・消毒液などの『開店時』の販売を中止させていただきます。ご理解のほどよろしくお願いいたします」と、時間を決めずに販売することを告知した。

   同社広報は7日、J-CASTニュースの取材に「1つは、朝の開店前に並べないお客様にも購入できる機会を提供するためです。日中お仕事をされている方は、朝だけの納品・販売だと購入が難しい現状があります。また、店舗によっては100人単位で開店前の行列ができてしまうところもありました。長時間の密接状態になり、感染リスクの観点からもお客様にとって好ましい状況ではないという懸念がありました」と変更の背景を明かした。

   一部店舗では数日前から先んじて試験導入しており、訪れた複数の客が店頭の張り紙の写真をツイッターにアップしていた。開店時にはマスクなどを販売しないことに加え、「商品の入荷状況などは本部で一括してる上、変更する可能性もある為、販売日や販売時間に関しましてお答えしかねますのでご了承下さい」と一部問い合わせに答えられないことも記載。ツイッター上では「賢明な判断」「この動き、日本中のドラッグストア・スーパーマーケットに広まってくれ」「サツドラさん働く人の味方だね!」と共感する声があがっていた。

   「SNS上では当社に限らず、仕事があるから朝の行列に並べなくてマスクが買えない、といった声はよく見ます。そうした状況を見て、より良い販売方法を検討していたところです」と同社広報は話している。

「全力を挙げて商品確保に努めております」

   新型コロナウイルスの影響で、マスクは全国で品薄が続く。ドラッグストアでは、在庫があることを見越して開店前に客が行列をつくることが少なくなく、仕事帰りに店舗に立ち寄っても「買えない」という声は数多い。在庫に関する客からの相次ぐ問い合わせに、ドラッグストア店員を名乗るユーザーが疲弊する現状をツイッターで訴える投稿も度々見られる。

   静岡県内でチェーン展開する杏林堂薬局も、黄色地に大きな文字で「開店直後にマスクはございません。開店前に並ばれてもご購入できません」という張り紙を店頭に掲示。「マスクの入荷が非常に不安定でございます」として、次の2つの状況が起きていることを説明している。

(1)朝一番で販売してしまいますと早朝から並ばれる方が増え、騒音、渋滞が発生し近隣住民の皆様へご迷惑に繋がってしまいます。
(2)朝一番に店頭へ並べないお客様から、マスクを何とか販売してほしいとの強いご要望を頂戴しております。

   そのため、「当店ではマスクの販売時間に関しては毎日時間帯を変更し、より多くのお客様へ購入していただける機会を設けるようにさせていただきます」と時間を一律で決めずに販売するとし、「多くのお客様へ提供させていただくためにも何卒、ご理解・ご容赦の程、お願い申し上げます」と呼びかけた。

   「マスクの件でのお問合せに関して、混乱防止のため在庫の有無以外に関してはお答えいたしかねます」と、やはり一部問い合わせには答えられないことも記載。「併せてご理解賜りますようお願い申し上げます。只今、全力を挙げて商品確保に努めております。今後ともご来店いただくことを心よりお待ち申し上げております」と理解を求めた。店舗を利用したツイッターユーザーが4月4日に写真で投稿すると、同様に「これ、ええやり方やね!」などの声があがっていた。

   全国展開しているツルハドラッグ(杏林堂と同じツルハホールディングス傘下)でも、一部店舗では「『開店時』のマスク販売を中止致します」として、不定期に店頭へ陳列することを知らせる掲示を出している。マスクや消毒類などの在庫状況、納品日などの問い合わせには答えられないことや、近隣住民への配慮も呼びかけている。

   運営するツルハの担当者は7日、取材に対し、ここ数日でテスト的に導入したと明かす。朝4時ごろから並ぶ客がいる店舗もあったといい「より良い販売方法を模索しています」とした。

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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