2020年2月から導入が始まった日本の新パスポートだが、本人確認書類として使えないとする企業やサービスが現れている。新パスポートから住所記入欄がなくなるというのがその理由だという。
「もともと住所は自筆であり、居住地を公に証明するものではないため」
新パスポートは2月4日から発給受理を始めた。この新パスポートを、本人確認書類として使えない、とするサービスが複数現れている。4月上旬時点で、JR西日本の「SMART ICOCA」やローソンのクレジットカード「ローソンPontaプラス」、JR東日本の「ビューカード」などだ。
新パスポートの特徴について、J-CASTニュースは3月22日に外務省領事局旅券課に取材を行った。新パスポートでは確かに住所などを記入する所持人記入欄は廃止されているが、その理由は「パスポートはもともと住所は自筆であり、居住地を公に証明するものではないため」というものだった。JR西日本も本人確認書類から新パスポートを外した理由については「所持人記入欄が廃止されたため」と取材に答えている。
銀行の場合どうかというと、既に楽天銀行は所持人記入欄がなくなったことを理由に、本人確認書類としては使えないとサイトにて案内しているが、メガバンク3行(みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行)では4月6日時点で、新パスポートの取り扱いについてネット上での告知は見られない。
三井住友銀行に4月2日に取材を行うと、新パスポートについては現在それだけでは本人確認書類とならず、住所を証明できるものが必要とのことだった。現状は業界団体の全国銀行協会と監督官庁の金融庁との間で新パスポートの取り扱いを協議中であり、当面この扱いを続けると答えている。