注目の「クローバック」制度って何? 日本企業でも導入相次ぐ

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海外ではリーマン機に注目

   この提案について、米大手助言会社「インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)」や同「グラスルイス」が賛成を推奨したことから過半数の賛成を集めることになった。武田は株主の半分は海外投資家(2019年3月時点)というグローバル企業であり、また、同じ総会ではウェバー社長の取締役再任について、ISSが「自己資本利益率(ROE)が低い」ことを理由に反対を推奨したこともあって、賛成は84.3%にとどまり、前年より7ポイントも下がった。こうした株主の圧力が、武田をクローバック制度導入に追い込んだといえる。

   世界でクローバックが注目されるようになったきっかけは2008年のリーマン・ショック。投資銀行の多くが巨額の損失を計上したにもかかわらず、高額報酬を得ていたトップが業績悪化の責任を取らず、報酬を「持ち逃げ」する格好になり、問題視された。その反省としてクローバック条項の導入が進み、米アップル、ジョンソン&ジョンソン、エクソンモービル、ユニリーバといったグローバル企業が同制度を導入。実際に、米大手銀行ウェルズ・ファーゴの不正営業問題ではジョン・スタンプ元CEO(最高経営責任者)らに同制度が発動された。

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