エンタメ業界への補償を求める芸能人は、なぜバッシングされるのか

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両メディアの客層は同じ!?

   何やら「足の引っ張り合い」とでも言うべき構図が発生していそうな今回の「ガールズちゃんねる」での井口さんについての炎上。その一方で、ツイッター上では井口さんへの賛同の声が上がっているわけだが、ということは、両メディアの「客層」は相当違うということなのだろうか。そこで、J-CASTニュース編集部は、ITジャーナリストの井上トシユキ氏にも分析を依頼した。

   すると、井上氏は両メディアに出ている意見の違いは、ユーザーの違いというよりは、同一の人物が、「ツイッターでは正論に賛同しつつ、ガールズちゃんねるでは感情をむき出しにして暴れる」ということをやっているという例も多いことが推測されると指摘した。

「ツイッターは、もはや、『匿名での情報発信がメイン』というメディアではなくなり始めています。大多数のユーザーが固定のアカウントを持ち、それらの多くは一般人であっても本名を明かしていたり、ハンドルネームであっても知り合いにはアカウントの存在を公表していたりするわけです。そうなると、どうしても『無難なツイートで情報発信しておこう』『いい子を演じておこう』という意識が働くため、感情をむき出しにしたツイートは行われにくくなります」

「その一方で、ガールズちゃんねるは匿名性が高いメディアであり、そうなると、やはりどうしても、『ボロカス言ってても大丈夫』と思うユーザーは多く、ついつい建前ではなく本音を書きこんでしまうと推測されます。ゆえに、両メディアの井口さんについての話題には違うユーザーが集まっているというよりは、同一のユーザーが集まって真面目な世界と本音を曝せる世界を使い分けていると考えられます。なお、ガールズちゃんねる的なメディアとしては5ちゃんねる(2ちゃんねる)が挙げられるでしょう」

と指摘した。併せて井上氏はどの業界がどうだといった詳しい説明は避けるとしつつ、自身のところに集まってくる情報を分析すると、新型コロナによって「非常に困っている業界」が多々ある一方で、「さほど困っていない業界」もそれなりにあるようだと指摘。その上で、その温度差がもたらす可能性について分析した。

「エンタメ業界の窮状は、その目立ちやすさや発信力の強さから非常に分かりやすい形で伝わってきていますが、その一方で、注目されずに窮状が進行している業界もあり、また、コロナの影響をあまり受けていない業界もあると聞きますので、日本社会にコロナに対する『温度差』が広がっているとみられます。ですので、注目されずに窮状が進行している業界の人々の中には、ツイッター上では行儀良くしつつ、ガールズちゃんねるでは『エンタメ業界だけがつらいんじゃない!』と主張して、補償に反対しているということはあるかもしれません」

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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