新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期になった東京五輪について、大会組織委員会は30日夜に記者会見し、来年7月23日に開幕する日程に決定したと発表した。
昨年11月に開催され、世界一に輝いた「プレミア12」は登録メンバーが28名だったが、東京五輪は24人となる。1年の延期は侍ジャパンの選手選考にも当然影響を及ぼすだろう。
甲斐野はプラス。楽天・松井は...
選出に向けて、追い風が吹いたのはソフトバンク・甲斐野央だ。春季キャンプで右肘の違和感を訴えて離脱。「右肘内側側副靭帯の一部損傷」と診断され、長期離脱は必至の状況だった。今年7月に東京五輪が開催予定の場合は故障から間に合うか厳しい状況だったが、1年の延期で、コンディションを整える時間が作れる。
気になるのは昨季パ・リーグセーブ王の楽天・松井裕樹だ。今年から先発に転向したが練習試合など実戦で大量失点を喫して不安が残る。救援では実績抜群でプレミア12も代表に選出されたが、左ひじの違和感で出場辞退した。貴重な左腕だが先発で見ると厳しい。「救援はいつでもできる」という見方があるが、先発で本来の力を発揮できない状況が続くと、東京五輪のマウンドはさらに遠のく。1年後に松井はどのポジションで投げているかも代表選出の大きなカギを握りそうだ。
「プレミア12」のメンバーが東京五輪でもベースになる可能性が高かったが、今年のシーズンの結果次第ではその序列が代わる可能性は十分にある。「プレミア12」に選出されていないメンバーを見渡しても、巨人・菅野智之、ソフトバンク・千賀滉大、柳田悠岐、楽天・則本昂大、西武・森友哉、山川穂高、巨人・岡本和真ら実力者たちがそろっている。
どの選手にも言えるが、東京五輪前に調子を崩したり、逆に勢いに乗ってブレークする可能性もある。来年に延期された東京五輪で、思わぬ伏兵がシンデレラボーイになるかもしれない。