コロナショックと原油安で「二極化」進む? 商社が迎える試練

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   新型コロナウイルスの影響で人やモノの往来が激減する中、産油国の思惑も絡んで飛行機や自動車などの燃料となる原油の価格が急落し、資源を扱う商社の業績に影を落としている。

   特に丸紅は2020年3月期連結決算について、純損益の業績予想を1900億円の赤字に下方修正。これ以降、株式市場で商社株は軒並み安となり、衝撃を与えた。

  • 日本経済に与える影響は(イメージ)
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従来予想から「マイナス3900億円」

   丸紅が3月25日に発表した下方修正の内容を確認しておこう。純損益の従来予想は2000億円の黒字で、修正による増減額はマイナス3900億円に及ぶ。2019年3月期の純利益の実績は2308億円だった。

   利益減額の内訳を見ると、石油・ガス開発事業が1450億円で最も多く、米国穀物事業(1000億円)、チリ銅事業(600億円)、海外電力・インフラ関連事業(400億円)、市況悪化等による減益(200億円)などで全体のマイナス3900億円を構成する。

   石油・ガス開発事業の減額1450億円は、米国メキシコ湾での油田事業でマイナス800億円、英領北海の油田事業で650億円、それぞれ減損損失を計上することによる。原油価格の急激な下落に伴って将来の原油価格、生産・掘削計画を見直したためで、資源安のインパクトの大きさをうかがわせる。

   一方、次に減益額の大きい米国穀物事業は、2013年に約2700億円をかけて買収した米穀物大手ガビロンの穀物事業における減損損失800億円と、米西海岸の穀物輸出事業200億円の減損損失によるものだ。足元で穀物価格はさほど下がっておらず、原油をはじめとする資源安とは直接関係のない減損損失。経営不振のガビロンについてはこれまでも、のれん代や固定資産の減損損失の計上を繰り返しており、丸紅固有の事情と言えよう。

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