お前のせいで感染が拡がる―「コロナ差別」に遭った訪問看護師が、あえて体験をツイートした理由

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「『この地域には訪問看護師がいるから自宅で暮らせる』という安心感を」

   訪問は多い日で7~8人になる。曜日ごとに訪問する患者は決まっており、1回の訪問時間は30分や1時間などと定められている。週5日の勤務だが、休日も緊急時に備えて待機する「オンコール」と呼ばれる当番日があり、深夜や朝方に電話が入ることもある。

   女性は今回のツイッターへの投稿で、先のとおり自分たちの存在を「知って下さい」と訴えかけた。自身の役割を取材に、こう話していた。

「訪問看護は地域医療への貢献という感覚が強いです。希望して自宅で過ごす患者さんもいれば、やむを得ず退院しなければならない方もいます。病院を出されて行き場がない、施設に入るお金もない、だから自宅にいるしかない。そんな方もいます。

患者さんが何年も入院していると、その病院のベッドをずっと使い続けることになります。入院が必要な患者さんは病院に、自宅で療養できる方は自宅に、それぞれいられることが大切です。

私は訪問看護師として、地域の方々に『この地域には訪問看護師がいるから自宅で暮らせる』という安心感を持てるようになってほしいです。何かあった時に呼んだら駆けつける存在があると分かったら、ご自宅でも笑って生活できるのではないかと思っています」

   医療従事者に対する差別的な言動をめぐっては、政府の対策本部が3月28日に決定し、厚生労働省ウェブサイトで公表している「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の中でも、「感染者・濃厚接触者や、診療に携わった医療機関・医療関係者その他の対策に携わった方々に対する誤解や偏見に基づく差別を行わないことの呼びかけ」を行い、「行動変容に資する啓発を進めるとともに、冷静な対応をお願いする」と示されている。

   日本赤十字社は、公表する「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対応する職員のためのサポートガイド」の中でこう言及している。

「未知のウイルスは私たちを不安に駆り立て、ウイルスを連想させるものへの嫌悪・差別・偏見を生み出し、人と人との間の連帯感や信頼感を破壊します。私たちの誰もが、これら3つの感染症の影響を受けていますが、最前線で対応する職員はその影響を最も強く受けることになります。COVID-19対応においては、感染対策(第1の感染症対策)はもちろんのこと、第2、第3の感染症が職員に与える影響を考慮に入れながらCOVID-19対応者へのサポート体制を構築していくことが極めて重要となります」

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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