「色々な企業にアプローチを考えている」
山口県内にあるこの企業の専務は4月2日、安倍首相が配布するとした布マスクの受注について、「国から言われたことはないです」とJ-CASTニュースの取材に答えた。
「お困りでしたら、手伝いたいと思います。しかし、そうすれば、ネットで炎上して、また風評被害に遭います。安倍さんに迷惑もかかりますし、やらない方がいいのかもしれませんので、複雑な気持ちです」
ネットでの憶測により、企業の公式サイトにアクセスが殺到して、サーバーがパンク状態になり、この日は、少なくとも夕方までサイトにつながりにくい状態が続いた。
「県から発表があった12万枚というのは、当初頼まれた数よりさらに上積みされており、5月末までやるので精いっぱいでした。近隣の工場に聞くと、手伝ってくれるというので、やっと4月末を目標にできたほどですよ」
厚労省のコロナ対策本部は、布マスクの製造元について、マスク班の担当者が取材にこう説明した。
「まだ決まっておらず、1億枚はこれから生産してもらいます。一例としては、技術のあるシャープや興和などのメーカーを想定しています。色々な企業にアプローチすることを考えており、山口県の企業が念頭にあるわけではありません」
日本郵政のシステムを使うことについては、「世帯の情報を持っているからです。マイナンバーは使えず、日本郵政しかなかったということです」と説明している。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)