新型コロナは「みんなで日本を守る意識がないと戦えない」 専門家会議メンバーが語る「行動変容」の重要性

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若年層クラスターを「見える化」するには

   「『武漢市を含む湖北省への渡航歴があり、発熱かつ呼吸器症状を有する人』との接触歴がある」などを条件に発生動向調査(サーベイランス)を進めると、2月13日に突然、感染連鎖が見えてきた。しかしこの段階ですでに連鎖が各地で進んでおり、全体像の把握は困難だったと振り返る。

「突然見えた感染連鎖(2月13日)」(押谷氏の資料より)
「突然見えた感染連鎖(2月13日)」(押谷氏の資料より)

   クラスター対策班で見つかった感染経路を掘り下げると、感染者との濃厚接触者からは二次感染が出ていないことがわかった。一人の感染者が何人に感染を広げるかを指す指標「R0(基本再生産係数、アールノート)」ではR0=0となる。

「基本再生産計数」(押谷氏の資料より)
「基本再生産計数」(押谷氏の資料より)
「1人の感染者が生み出す2次感染者数の頻度」(押谷氏の資料より)
「1人の感染者が生み出す2次感染者数の頻度」(押谷氏の資料より)

   それではなぜ流行しているのか。「多くの人は誰にも感染させないが、一部に1人が多くの人に感染させていると考えないと流行が起きている理由を説明できない」ため、感染源(リンク)の追えない症例からつながった患者のうち5人以上の集団を「クラスター」と定義し、「早期発見・早期対応」を目指した。

   クラスターさえなければR0<1、つまり感染者が出ても流行にはならないからだ。※東京都の推定値はR0=1.7(3月21〜30日の期間)

「クラスターが起きなければ」(押谷氏の資料より)
「クラスターが起きなければ」(押谷氏の資料より)

   ただし、クラスターの早期発見は容易ではない。特に、若年層(10代後半〜50代と独自定義)は重症化することが少なく、「若年層クラスター」の連鎖は見えづらい(「アクティブな中高年からなるクラスターも数多く見られている」とも注記している)。

   若年層クラスターを「見える化」するには、「若年層クラスター連鎖から高齢者に漏れ出した場合」「まれにおこる若年層での重症例が出てきた場合」「軽症者がなんらかのきっかけで検査を受けた場合」のいずれかだという。

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